プレスリリース
2015年03月27日
報道関係各位
バイオジェン、アルツハイマー病治療薬候補第1B相試験の中間解析結果を発表
バイオジェン(本社:米国ケンブリッジ ボストン)は、このたび、アルツハイマー型認知症治療薬候補aducanumab(BIIB037)の第1b相試験の中間解析結果を発表しました。試験の データは、前駆期もしくは軽度のアルツハイマー病患者さんに対しaducanumabが画像上もしくは臨床上の評価において、許容可能な安全性プロファイ ルと有望な有効性を示すものです。これらのデータは、フランス・ニースで開催された第12回国際アルツハイマー・パーキンソン病学会議 (AD/PD™2015)(the 12th International Conference on Alzheimer's and Parkinson's Diseases and Related Neurological Disorders)において、3月20日に発表されました。
バイオジェン グループ・シニア・バイス・プレジデント兼チーフ・メディカル・オフィサーのAlfred Sandrockは、「当社が開発したaducanumabは、アルツハイマー型認知症治療候補薬の中でも、前駆期もしくは軽度の患者様の症状悪化を抑制 するだけではなく、アミロイド斑をも減少させることができたと統計学的に有意が認められた初めての治療候補薬となります。これらの結果に基づき、私たちは aducanumabの第Ⅲ相臨床試験の患者様の組み入れを本年中に開始できるよう開発を進めています。」
Aducanumabによる治療は、脳内のアミロイド斑の用量依存的且つ時間依存的減少をもたらします。アミロイド斑は症状進行の主要因とされてお り、探索的な解析では、ミニメンタルステート検査(MMSE)と臨床的認知症重症度判定尺度(CDR)において、用量依存的な症状悪化の抑制が統計学的に 有意が認められました。
バイオジェン・ジャパン代表取締役社長エイドリアン・ゴットショークは次のように述べています。「バイオジェンは、治療選択肢が限定的あるいは選択 肢すらない疾患領域を中心にサイエンスとイノベーションに全力で取り組んでおります。今後さらに高齢化が進行する日本において、アルツハイマー型認知症患 者様に希望をもたらしうる治療薬を開発・提供していくことは当社の大きな社会的使命と考えています。早期診断を行い、進行する症状を改善するために初期段 階から有用な治療薬を用いることが、患者様やご家族、介護者、そして日本社会全体にとっても重要な意味を持つと思います。今回の臨床試験結果は日本の社会 にとって大変意義のあるものだと確信しています。」
本試験について
今回のデータはPRIME試験に基づきます。 PRIME試験は第1b相無作為化二重盲検プラセボ対照反復投与試験(継続中)であり、前駆期もしくは軽度のアルツハイマー型認知症患者さんを対象に、 aducanumabの安全性、忍容性、薬物動態(PK)と薬力学(PD)を評価する試験です。
PRIMEの中間解析結果は、166人の患者さんにaducanumab を投与したデータに基づいています。内訳は、54週間までのデータ(プラセボ群((n=40)、1 mg/kg 群(n=31)、 3 mg/kg 群(n=33)、10 mg/kg群 (n=32))と、30週間までのデータ(6 mg/kg (n=30))となります。
Aducanumab は今回の試験結果において、許容可能な安全性と忍容性のプロファイルを示しました。もっとも多く報告された治療に関連した重篤な有害事象(SAE)と有害 事象(AE)は、ARIA (amyloid-related imaging abnormalities)でした。
Aducanumab (BIIB037)について
Aducanumab (BIIB037)は、現在開発中のアルツハイマー型認知症治療薬候補です。Aducanumabは、健康な高齢者のドナーもしくはReverse Translational Medicine (RTM)と呼ばれるNeurimmune社の技術基盤を活用し、良好な認知能力を有する、または認知障害を有するが安定した経過をたどっている患者さん のドナー集団からスクリーニングされた、ヒト型遺伝子組換モノクローナル抗体(mAb)です。バイオジェンは共同開発及びライセンス契約に基づき、 Neurimmune社からaducanumabのライセンスを取得しました。
Aducanumab は、可溶性オリゴマーを含む凝集型アミロイドβとAD患者脳内のアミロイド斑に含まれる不溶性線維型アミロイドβを標的とします。非臨床試験と臨床第1b 相試験中間結果から、aducanumab治療はアミロイド斑を減少させるということが示されています。
アルツハイマー型認知症について
アルツハイマー型認知症は進行性の神経変性障害で、最終的に日常生活が不可能になる認知機能低下と行動障害が特徴です。2010年時点で世界中に2500万人の患者さんがおり、日本でも116万人1) と推定され、今後さらに高齢化が進むにつれ患者数は増加していくと予測されます。その病態生理学的変化は、臨床診断へと導かれる症状が発症する何年も前に始まるということが示唆されており、進行に伴い、認知機能低下、行動障害、機能障害などあらわれます。
バイオジェン・ジャパンについて
バイオジェン・ジャパン株式会社は、米国バイオ ジェンの日本法人です。バイオジェンは、最先端の科学と医薬品研究を通じて、神経変性疾患、血友病、自己免疫疾患領域における革新的な治療薬を創薬開発 し、世界中の患者さんに届けています。当社は1978年にノーベル賞受賞者らによって設立され、世界で最も歴史のある独立系バイオテクノロジー企業とし て、日本では2000年より事業を展開しています。
1) 武田雅俊、田中稔久、大河内正康「論説:日本におけるアルツハイマー病(Editorial: New drugs for Alzheimer's disease in Japan)」精神医学と臨床神経科学(Psychiatry and Clinical Neurosciences)第65巻、第5号、399-404項、2011年8月
報道関係各位
バイオジェン、アルツハイマー病治療薬候補第1B相試験の中間解析結果を発表
バイオジェン(本社:米国ケンブリッジ ボストン)は、このたび、アルツハイマー型認知症治療薬候補aducanumab(BIIB037)の第1b相試験の中間解析結果を発表しました。試験の データは、前駆期もしくは軽度のアルツハイマー病患者さんに対しaducanumabが画像上もしくは臨床上の評価において、許容可能な安全性プロファイ ルと有望な有効性を示すものです。これらのデータは、フランス・ニースで開催された第12回国際アルツハイマー・パーキンソン病学会議 (AD/PD™2015)(the 12th International Conference on Alzheimer's and Parkinson's Diseases and Related Neurological Disorders)において、3月20日に発表されました。
バイオジェン グループ・シニア・バイス・プレジデント兼チーフ・メディカル・オフィサーのAlfred Sandrockは、「当社が開発したaducanumabは、アルツハイマー型認知症治療候補薬の中でも、前駆期もしくは軽度の患者様の症状悪化を抑制 するだけではなく、アミロイド斑をも減少させることができたと統計学的に有意が認められた初めての治療候補薬となります。これらの結果に基づき、私たちは aducanumabの第Ⅲ相臨床試験の患者様の組み入れを本年中に開始できるよう開発を進めています。」
Aducanumabによる治療は、脳内のアミロイド斑の用量依存的且つ時間依存的減少をもたらします。アミロイド斑は症状進行の主要因とされてお り、探索的な解析では、ミニメンタルステート検査(MMSE)と臨床的認知症重症度判定尺度(CDR)において、用量依存的な症状悪化の抑制が統計学的に 有意が認められました。
バイオジェン・ジャパン代表取締役社長エイドリアン・ゴットショークは次のように述べています。「バイオジェンは、治療選択肢が限定的あるいは選択 肢すらない疾患領域を中心にサイエンスとイノベーションに全力で取り組んでおります。今後さらに高齢化が進行する日本において、アルツハイマー型認知症患 者様に希望をもたらしうる治療薬を開発・提供していくことは当社の大きな社会的使命と考えています。早期診断を行い、進行する症状を改善するために初期段 階から有用な治療薬を用いることが、患者様やご家族、介護者、そして日本社会全体にとっても重要な意味を持つと思います。今回の臨床試験結果は日本の社会 にとって大変意義のあるものだと確信しています。」
本試験について
今回のデータはPRIME試験に基づきます。 PRIME試験は第1b相無作為化二重盲検プラセボ対照反復投与試験(継続中)であり、前駆期もしくは軽度のアルツハイマー型認知症患者さんを対象に、 aducanumabの安全性、忍容性、薬物動態(PK)と薬力学(PD)を評価する試験です。
PRIMEの中間解析結果は、166人の患者さんにaducanumab を投与したデータに基づいています。内訳は、54週間までのデータ(プラセボ群((n=40)、1 mg/kg 群(n=31)、 3 mg/kg 群(n=33)、10 mg/kg群 (n=32))と、30週間までのデータ(6 mg/kg (n=30))となります。
Aducanumab は今回の試験結果において、許容可能な安全性と忍容性のプロファイルを示しました。もっとも多く報告された治療に関連した重篤な有害事象(SAE)と有害 事象(AE)は、ARIA (amyloid-related imaging abnormalities)でした。
Aducanumab (BIIB037)について
Aducanumab (BIIB037)は、現在開発中のアルツハイマー型認知症治療薬候補です。Aducanumabは、健康な高齢者のドナーもしくはReverse Translational Medicine (RTM)と呼ばれるNeurimmune社の技術基盤を活用し、良好な認知能力を有する、または認知障害を有するが安定した経過をたどっている患者さん のドナー集団からスクリーニングされた、ヒト型遺伝子組換モノクローナル抗体(mAb)です。バイオジェンは共同開発及びライセンス契約に基づき、 Neurimmune社からaducanumabのライセンスを取得しました。
Aducanumab は、可溶性オリゴマーを含む凝集型アミロイドβとAD患者脳内のアミロイド斑に含まれる不溶性線維型アミロイドβを標的とします。非臨床試験と臨床第1b 相試験中間結果から、aducanumab治療はアミロイド斑を減少させるということが示されています。
アルツハイマー型認知症について
アルツハイマー型認知症は進行性の神経変性障害で、最終的に日常生活が不可能になる認知機能低下と行動障害が特徴です。2010年時点で世界中に2500万人の患者さんがおり、日本でも116万人1) と推定され、今後さらに高齢化が進むにつれ患者数は増加していくと予測されます。その病態生理学的変化は、臨床診断へと導かれる症状が発症する何年も前に始まるということが示唆されており、進行に伴い、認知機能低下、行動障害、機能障害などあらわれます。
バイオジェン・ジャパンについて
バイオジェン・ジャパン株式会社は、米国バイオ ジェンの日本法人です。バイオジェンは、最先端の科学と医薬品研究を通じて、神経変性疾患、血友病、自己免疫疾患領域における革新的な治療薬を創薬開発 し、世界中の患者さんに届けています。当社は1978年にノーベル賞受賞者らによって設立され、世界で最も歴史のある独立系バイオテクノロジー企業とし て、日本では2000年より事業を展開しています。
1) 武田雅俊、田中稔久、大河内正康「論説:日本におけるアルツハイマー病(Editorial: New drugs for Alzheimer's disease in Japan)」精神医学と臨床神経科学(Psychiatry and Clinical Neurosciences)第65巻、第5号、399-404項、2011年8月