2016年09月29日

本資料は、米バイオジェン社が 2016年9月26日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語訳として発表させていただくものです。よって必ずしも日本の状況を反映したものでないことをご了承ください。内容につきましては原本である英文が優先します。

バイオジェンが脊髄性筋萎縮症の治療薬候補ヌシネルセンの段階的申請方式でのFDAへの承認申請を完了

欧州医薬品庁(EMA)への承認申請も追って提出予定

マサチューセッツ州ケンブリッジ、カリフォルニア州カールスバッド – 2016年9月26日:バイオジェン       (NASDAQ略号: BIIB)とIonis Pharmaceuticals(NASDAQ略号: IONS)は、バイオジェンが開発中の脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬候補であるヌシネルセンについて、米食品医薬品局(FDA)への段階的申請方式での新薬承認申請(NDA)の提出を完了したことを発表しました。バイオジェンは優先審査の申請も行っています。優先審査申請が認められれば、NDA受理後のヌシネルセンの審査期間が短縮されることになります。

バイオジェンのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーであるアルフレッド・サンドロックM.D., Ph.D.は次のように述べています。「乳児期発症型SMAにおけるENDEAR試験の中間解析の良い結果を先月発表して以来、多くのご家族からヌシネルセンについての喜びの声が届きました。その声に私たちはたいへん勇気づけられており、私たちがヌシネルセンの審査を行うFDAを支援する際に常に念頭に置いています。申請手続きにおけるFDAの協力的な姿勢に感謝するとともに、SMAに対する初めての治療薬となるヌシネルセンを一刻も早く、できるだけ多くの患者さんにお届けするという目標に向け、この建設的な対話を続けていけることを願っています」。

FDAへの承認申請に続き、バイオジェンはヌシネルセンの販売承認申請(MAA)を今後数週間のうちに欧州医薬品庁(EMA)に提出する予定です。EMAのヒト用医薬品委員会(CHMP)は最近、ヌシネルセンを迅速評価の対象としましたので、標準的な審査期間より短くなる可能性があります。バイオジェンは今後数カ月の間に、他の国々でも承認申請を行っていく方針です。

Ionis Pharmaceuticalsの最高執行責任者(COO)であるB. Lynne Parshallは次のように述べています。「ヌシネルセンの臨床試験プログラムをこれまで、またこれからも同様に進めていくことができるのは、治験に参加して下さった患者さんとご家族、その支援に全力で当たって来られた医師、看護師、患者団体関係者など全てのSMA関係者の多大なご協力のおかげです。私たちはSMA治療薬の開発に向けた皆さんの揺るぎない献身さに深く感謝しています。本日のマイルストーンはまさしく全員が一致団結して獲得した成果です」。

承認申請は次の内容で構成されています。

  • 乳児期発症型(1型を発症する可能性が高い)のSMA患者対象の第III相試験であるENDEAR試験のあらかじめ規定されていた中間解析の結果
  • 現在までに得られた、1型以外の患者さんの非盲検データを含むその他全ての臨床データ及び前臨床データ

ENDEAR試験の中間解析では、ヌシネルセンの投与を受けた乳児群が、運動マイルストーンの達成において、投与を受けなかった群の乳児に比べ、統計的に有意な改善を示しました。バイオジェンは、今後数カ月の間に、FDAから妥当性の確認と承諾について連絡を受けるであろうと予想しています。

 

ヌシネルセン臨床試験プログラム

ヌシネルセン臨床試験プログラムはENDEAR試験とCHERISH試験という二つの検証試験で構成されています。ENDEAR試験は乳児期発症型SMAの患者さん122名の13カ月にわたる試験として設計されました。これらの患者さんは、SMAの兆候と症状が生後6カ月以下で発現し、かつスクリーニング時の年齢が生後7カ月以下でした。予め規定されていた中間解析の結果に基づき、ENDEAR試験は終了します。希望する患者さんに対しては、現在SHINE試験(非盲検)への移行を行っており、本試験では全員がヌシネルセンの投与を受けることになります。ENDEAR試験の中間解析の結果は今後の医学会で発表される予定です。

CHERISH試験では15カ月にわたり、126名の歩行不能な2型と同等の遅発型SMAの患者さんにおいて、ヌシネルセンの試験が行われています。これらの患者さんは、SMAの兆候と症状が生後6カ月以降で発現し、かつスクリーニング時の年齢が2歳から12歳の間でした。CHERISH試験は2016年5月に患者登録が完了しており、現在も進行中です。

SHINE試験(非盲検)はENDEAR試験とCHERISH試験に参加した患者さんの非盲検延長試験として実施されます。ヌシネルセンの長期的な安全性と忍容性を評価するよう設計されたものです。

ヌシネルセンについて追加データを収集するために、EMBRACE試験とNURTURE試験という二つの第II相試験が設計されました。EMBRACE試験は、ENDEAR試験またはCHERISH試験の年齢等の基準を満たさない乳児期発症型または遅発型SMAの患者さんの部分集団についての追加データを収集するために設計されています。乳児期発症型(1型を発症する可能性が高い)のSMA母集団においてエビデンスが示されたため、EMBRACE試験のシャム(実薬でない)群は中止となり、患者さんには非盲検延長試験を通じてヌシネルセンの投与を受ける選択肢が提供されています。NURTURE試験は発症前の乳幼児(初回投与時に生後6週間以下)を対象として実施中の非盲検試験で、発症前の治療によりSMA症状の発現を予防または遅らせることができるかどうかを判断するための試験です。

 

SMA について1-5

脊髄性筋萎縮症(SMA)の特徴は、脊髄および下位脳幹における運動ニューロンの欠損であり、重篤で進行性の筋萎縮や筋無力を引き起こします。最後には、最も重篤なタイプのSMAの患者さんは麻痺を起こし、呼吸や嚥下など生命維持のための基本的な身体機能に支障をきたす恐れがあります。

SMN1遺伝子の欠損または損傷により、SMAの患者さんは運動ニューロン維持に必要なSMN(Survival Motor Neuron)タンパク質を十分に産生することができません。SMAの重篤度はSMNタンパク質の量と相関関係があります。最も重篤で生命を脅かす1型SMAの患者さんではSMNタンパク質がほとんど生成されず、支えなしに座ることや呼吸器による補助なしに2年以上生存することができません。2型と3型の患者さんでは、より多くのSMNタンパク質が生成され重篤度も下がりますが、日々の生活と人生に困難を強いられます。

現在、SMAの根本治療として承認された治療法はありません。

SMAの疾患啓発支援のため、バイオジェンは米国で「Together in SMA」というプログラムを立ち上げ、SMA関係者に資料や情報提供を行っています。詳細は、https://www.togetherinsma.com/をご覧ください。

 

ヌシネルセンについて 

ヌシネルセンはSMAの治療薬として開発中の疾患修飾療法剤です6。ヌシネルセンはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)であり、SMN1とほとんど同じ遺伝子であるSMN2のスプライシングを変えるよう設計されています。その目的は完全に機能するSMNタンパク質の産生を増やすことにあります7。

ASOは標的RNAと結合して遺伝子発現を調節するよう設計された短鎖の合成ヌクレオチドです。このテクノロジーを使うことで、ヌシネルセンは機能的SMNタンパク質の量を増やす潜在力を備えています。

米国と欧州連合の規制当局は、審査プロセスを早めるため、特別な配慮を提供しています。米国ではファスト・トラック指定に、また米国、EUともにオーファンドラッグに指定されています。

次に掲げる組織のヌシネルセンに対する支援に謝辞を申し上げます。筋ジストロフィー協会、SMA財団、Cure SMA、およびコールド・スプリング・ハーバー研究所とマサチューセッツ大学医学部からの知的所有権のライセンス供与。

 

バイオジェンについて

最先端の科学と医学を通じて、バイオジェンは神経変性疾患、血液疾患、自己免疫疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、世界中の患者様に提供します。1978年に設立されたバイオジェンは、世界で最も長い歴史のある独立したバイオテクノロジー企業の一つであり、多発性硬化症と血友病の治療法における先進性と革新性で世界中の患者さんに貢献しています。製品情報、プレスリリース、同社に関するその他の情報については、http://www.biogen.com およびバイオジェン社専用Twitter(https://twitter.com/biogen)をご覧ください。

 

Ionis Pharmaceuticalsについて

Ionis社はRNA標的化医薬品の発見と開発におけるリーディング企業であり、重篤な希少疾患など最もアンメットニーズの大きい患者さんのための医薬品開発に注力しています。Ionis社は独自のアンチセンス技術を使い、ファースト・イン・クラスとベスト・イン・クラスの医薬品の大規模なパイプラインを構築してきました。このパイプラインには12種類以上の中期から後期の開発品が含まれています。現在、第3相試験が行われている医薬品の中でもvolanesorsenについては100%子会社のAkcea Therapeuticsを通じての製品化を計画中です。Volanesorsenは家族性カイロミクロン血症症候群または家族性部分的リポジストロフィーの治療薬です。IONIS-TTRRxはIonis社がGSKと共同開発している医薬品であり、あらゆる形態のTTRアミロイドーシスの患者さんの治療薬です。ヌシネルセンはバイオジェンと共同開発中の、脊髄性筋萎縮症の乳児と小児対象の治療薬です。Ionis社の特許は同社の医薬品とテクノロジーを強力かつ幅広く保護しています。Ionis社についての追加情報は次のサイトで入手できます。www.ionispharma.com

1. Darras B, Markowitz J, Monani U, De Vivo D. Chapter 8 - Spinal Muscular Atrophies. In: Vivo BTD, ed. Neuromuscular Disorders of Infancy, Childhood, and Adolescence (Second Edition). San Diego: Academic Press; 2015:117-145. 
2. Lefebvre S, Burglen L, Reboullet S, et al. Identification and characterization of a spinal muscular atrophy-determining gene. Cell. 1995;80(1):155-165. 
3. Mailman MD, Heinz JW, Papp AC, et al. Molecular analysis of spinal muscular atrophy and modification of the phenotype by SMN2. Genet Med. 2002;4(1):20-26. 
4. Monani UR, Lorson CL, Parsons DW, et al. A single nucleotide difference that alters splicing patterns distinguishes the SMA gene SMN1 from the copy gene SMN2. Hum Mol Genet. 1999;8(7):1177-1183. 
5. Peeters K, Chamova T, Jordanova A. Clinical and genetic diversity of SMN1-negative proximal spinal muscular atrophies. Brain. 2014;137(Pt 11):2879-2896
6. Rigo F, Hua Y, Krainer AR, Bennett CF. Antisense-based therapy for the treatment of spinal muscular atrophy. J Cell Biol. 2012;199(1):21-25. 
7. Hua Y, Sahashi K, Hung G, Rigo F, Passini MA, Bennett CF, Krainer AR. Antisense correction of SMN2 splicing in the CNS rescues necrosis in a type III SMA mouse model. Genes Dev. 2010 Aug 1;24(15):1634-44. 

SPI-JPN-0016

その他のプレスリリース

  • 2016年12月26日FDAがバイオジェンのSPINRAZA™(ヌシネルセン)を承認 世界初の脊髄性筋萎縮症治療薬
  • 2016年12月21日バイオジェンがミシェル・ヴォナッソスを最高経営責任者(CEO)に指名
  • 2016年12月19日多発性硬化症治療薬「テクフィデラ®カプセル」製造販売承認取得
  • 2016年12月12日脊髄性筋萎縮症の治療薬候補ヌシネルセンナトリウム日本でも承認申請
  • 2016年11月10日バイオジェンとIONIS社:ヌシネルセンが遅発型脊髄性筋萎縮症に対する第III相CHERISH試験の中間解析で主要評価項目を達成