本資料は、米バイオジェン社が2018年7月24日(現地時間)に発表したプレスリリースについてハイライト部分を一部抜粋して日本語訳として発表させていただくものです。よって必ずしも日本の状況を反映したものでないことをご了承ください。内容につきましては原本である英文が優先します。プレスリリースの英語全文につきましては、米バイオジェン社のウェブサイトをご覧ください。

 

バイオジェンの2018年第2四半期の売上は9%増の34億ドル

  • GAAPベース希薄化後EPSは3%増、非GAAPベース希薄化後EPSは15%増
  • バイオジェンはADUCANUMABの第III相試験の患者登録を完了
  • バイオジェンとエーザイ、早期アルツハイマー病治療薬候補BAN2401のトップライン試験結果を発表
  • バイオジェン、ALIVEGENより筋肉増強候補薬を導入

米マサチューセッツ州ケンブリッジ(2018年7月24日)-バイオジェン(Nasdaq:BIIB)は、2018年第2四半期の業績結果を報告しました。概要は以下のとおりです。

  • 売上は、対前年比9%増の34億ドル
    • 多発性硬化症(MS)治療薬の売上は、OCREVUS®の販売ロイヤリティ収入の約1億1300万ドルを含めて23億ドル
    • 売上増の原動力はスピンラザ®(4億2300万ドルの売上)
  • バイオジェンに帰属するGAAPベース純利益および希薄化後1株当たり利益(EPS)は、8億6700万ドルおよび4.18ドル(2017年の第2四半期は、8億6300万ドルおよび4.07ドル)
    • 2018年第2四半期のGAAPベース純利益および希薄化後EPSは、Ionis Pharmaceuticals社(以下「Ionis」)との新しい共同研究契約、ファイザー社からのBIIB104を獲得、aducanumabの将来的な市販におけるロイヤリティの支払いをさらに削減するためのNeurimmune SubOne AG社(以下「Neurimmune」)へのオプション支払い、およびティムス社(以下「TMS」)とのオプション契約に伴う5億8900万ドルおよび2.84ドル(それぞれ税引後)の影響を受けました。
    • 2017年の第2四半期のGAAPベース純利益および希薄化後EPSは、BIIB093に関するRemedy Pharmaceuticals社との開発役導入契約およびBIIB092に関するブリストル・マイヤーズ・スクイブ社(BMS)とのライセンス契約に伴う4億4700万ドルおよび2.11ドル(それぞれ税引後)の影響を受けました。
  • バイオジェンに帰属する非GAAPベース純利益および希薄化後1株当たり利益(EPS)は、12億ドルおよび5.80ドル(2017年の第2四半期は、11億ドルおよび5.04ドル)
    • 2018年の第2四半期の非GAAPベース純利益および希薄化後EPSは、Ionisとの新しい共同研究契約およびTMSとのオプション契約に伴う3億1400万ドルおよび1.52ドル(それぞれ税引後)の影響を受けました。
    • 2017年の第2四半期の非GAAPベース純利益および希薄化後EPSは、BIIB092に関するBMSとのライセンス契約に伴う3億3100万ドルおよび1.56ドル(それぞれ税引後)の影響を受けました。

バイオジェンの最高経営責任者(CEO)であるミシェル・ヴォナッソスは、次のように述べています。「当社は、中核成長領域であるアルツハイマー病、神経筋疾患、および急性神経疾患における進捗に示されるように、ニューロサイエンス領域のリーダーとなるための戦略を引き続き実行しました。全体として売上は、第2四半期に9%増の34億ドルを達成しました。当社のMS治療薬による治療を受けた全世界の患者数は、前年と比べ比較的安定しています。また、成人の脊髄性筋萎縮症(SMA)患者に対する薬剤へのアクセスならびに採用を向上させる努力の結果、米国における成人のスピンラザの患者数は、対前期比で20%以上増加しました。米国外では、複数の地域でのスピンラザの保険償還により、大きな売上増を後押ししました。当社は、さらにこの治療をまだ発売されていない新しい市場へ拡大する予定です」。

さらに、ヴォナッソスは、次のように述べています。「また、当社は、aducanumabの第III相試験の患者登録完了、ならびにBAN2401に関するポジティブなトップライン試験結果により、アルツハイマー病の分野で進捗を遂げました。さらに、脳卒中および筋肉増強を対象とした新しい開発品目によりニューロサイエンス領域のパイプラインを引き続き拡大しました」。

売上ハイライト

ライセンスに関する最新情報

  • 7月24日、バイオジェンは、AliveGen社からALG-801(第1a相)およびALG-802(前臨床)を導入したと発表しました。ALG-801(現在、BIIB110として知られています)およびALG-802は、ミオスタチンの経路を標的とした斬新な方法の代表であり、これは筋肉増強に向けて最も徹底的に研究されているアプローチの1つです。BIIB110およびALG-802は、組換えタンパク質であり、ActRIIBリガンドトラップとして作用してミオスタチンの経路の信号伝達を阻害します。このような標的を絞った作用の仕組みにより、他のミオスタチンのアプローチと比較して効果と安全性を向上できる可能性があります。当社は、SMAおよび筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む複数の神経筋疾患を対象にBIIB110およびALG-802を開発する予定です。今回の導入には、2750万ドルの前払い金支払いが含まれており、バイオジェンは、開発の拡大ならびに適応症の拡大に伴い、さらなる開発および商業化の段階で、最大5億3500万ドルを支払う可能性があります。
  • 2018年6月、バイオジェンは、TMS-007およびバックアップ化合物を入手するためにTMSと独占的オプション契約を締結したと発表しました。TMS-007は、急性期脳卒中の発症後に血流を再開させると考えられており、現在の標準的な治療と比較して治療時間枠を延ばすことができると考えられています。現在、日本で第II相試験において評価中です。この契約には、400万ドルの前払い金支払いが含まれており、バイオジェンは、オプション権を行使する場合、さらに1800万ドルを支払い、また追加の開発と商業化のマイルストーン達成、ならびに段階的なのロイヤリティ支払いを含めて最大3億3500万ドルを支払う可能性があります。
  • 2018年6月、バイオジェンとIonisは、幅広い神経領域の疾患に対してアンチセンス薬を開発するために新たに10年間の独占共同研究を締結しました。バイオジェンは、この共同研究により生じる治療法をライセンスするオプション権を有しており、開発および商業化に責任を負います。共同研究の条件に基づき、バイオジェンは、3億7500万ドルを前払いするとともに、Ionisの約1150万株の普通株を6億2500万ドルで購入し、合計支払い額は、10億ドルに達します。バイオジェンは、適応症および純売上のロイヤリティによって、Ionisに対して開発マイルストーンを最大1億2500万ドル、またはそれぞれの臨床試験プログラムに関して、最大2億7000万ドルを支払う可能があります。

最近のイベント

  • 2018年7月、バイオジェンは、早期アルツハイマー病に対するバイオジェンの抗アミロイドベータ抗体の候補であるaducanumabの第III相試験のENGAGE/EMERGE試験の患者登録を完了しました。
  • 2018年7月、バイオジェンとエーザイは、早期アルツハイマー病の856人の患者におけるアミロイドベータ凝集体を標的としたモノクローナル抗体、BAN2401の18カ月時点での第II相試験の最終解析においてポジティブな試験結果を発表しました。この試験では、主要な副次評価項目であるアルツハイマー病コンポジットスコア(ADCOMS)による評価、およびアミロイドPET(陽電子放出断層撮影)を使用して測定した脳内のアミロイド蓄積量の減少において、統計学的な有意性を示しました。ベースラインからの用量依存的な変化は、PETおよび臨床評価項目において観察されました。また、BAN2401の最大投与量では、12カ月時点を含め、6カ月時点の早い段階でもADCOMSで測定した統計学的に有意な臨床上の有用性が示されました。BAN2401は、18カ月間の試験期間を通じて忍容可能な安全性を示しました。治療中に報告された最も一般的な有害事象は、注射に関連した反応およびアミロイド関連画像異常(ARIA)でした。2017年12月に報告したとおり、この試験では治療の12カ月時点でのベイジアン解析に基づいて、第III相試験に迅速に移行するために設計された主要評価項目の基準を達成できませんでした。
  • 2018年6月、バイオジェンは、Samsung BioLogics社とバイオジェンが2012年に設立したジョイントベンチャーであるSamsung Bioepis社の株式を追加購入するオプション権を行使しました。2012年のジョイントベンチャー契約の条件に基づき、バイオジェンは、BioLogics社へオプション株式に相当する約7億ドルを支払い、Samsung Bioepisにおけるバイオジェンの持ち分は、約5.4%増加して約49.9%に達します。この株式購入の完了には、規制上の完了条件が適用され、2018年の下半期に完了する予定です。正確な株式購入価格は、完了のタイミングおよびその時点の為替レートによって変動します。
  • 2018年6月、バイオジェンとSamsung Bioepis社は、中等度および重度の関節リウマチの患者において、エタネルセプトを対照としたBENEPALI、インフリキシマブを対照としたFLIXABI、およびadalimumabを対照としたIMRALDITMの効果と安全性を比較した3つの異なる第III相試験の統合解析結果を発表しました。データは、抗薬物抗体の発生がバイオシミラーと対照薬との間で同等であること、および疾病の画像所見の進行が小さく、すべての治療群において同等であることを示しています。このデータは、オランダのアムステルダムで開催された欧州リウマチ年次会議(EULAR 2018)で発表されました。
  • 2018年6月、バイオジェンは、テキサス州ダラスで開かれたCure SMA 2018年SMA会議において、SMAに関するスピンラザ臨床開発プログラムで得られたデータを発表しました。プラットフォームおよびポスター・プレゼンテーションでは、SHINEおよびNURTURE試験(乳児期発症型SMAの患者におけるスピンラザの安全性と有効性を評価)の中間解析、およびプラズマ・リン酸化ニューロフィラメント重鎖(pNF-H)をSMAのバイオマーカー候補としての有用性に関するデータに焦点が当てられました。
  • 2018年6月、バイオジェンとエーザイは、経口のBACE(ベータアミロイド切断酵素)阻害剤であるelenbecestatについて、第II相臨床試験において許容可能な安全性と忍容性を示したことを発表しました。結果としては、アミロイドPETで測定した脳中のアミロイドβレベルにおいて統計学的に有意な違いが示されました。また、臨床上重要な差になり得る、機能的臨床評価尺度において認知機能の低下を数値的に遅らせたことも観察されましたが、この影響に関しては統計学的な有意性はありませんでした。
  • 2018年6月、Daniel Karp氏が、コーポレートデベロップメント担当のエグゼクティブバイスプレジデントとしてバイオジェンへ入社しました。Karp氏は、事業開発および企業戦略を含む新設されたコーポレートデベロップメント部門をリードします。同氏は、執行委員会のメンバーとして、ヴォナッソス氏に直接報告します。
  • 2018年5月バイオジェンとNeurimmune社は、バイオジェンがaducanumabの将来的な市販を含め、この共同研究に基づいて開発された製品の将来的な市販において支払われるロイヤリティ支払い(過去に交渉した金額)をさらに削減するためのオプション権を行使したことを発表しました。バイオジェンは、2017年10月に発表されたロイヤリティの15%削減に続き、最初のロイヤリティ料金の5%削減と引き換えにNeurimmune社へ単回限りの5000万ドルの支払いを行いました。aducanumabの将来的な市販におけるロイヤリティ支払いの削減は、一桁の後半から十桁台の前半です。バイオジェンは、2007年、Neurimmune社からaducanumabに対する全世界的な権利を取得しました。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープらにより設立されたバイオジェンは、世界で最も歴史のあるバイオテクノロジー企業の一つであり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の唯一の治療薬を製品化しました。また、アルツハイマー病、神経免疫疾患、運動性疾患、神経筋障害、痛み、眼科、神経精神医学といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。生物製剤の高い技術力を活かし、バイオジェンは高品質のバイオシミラーの製造と製品化にも注力しています。

当社に関する情報については、https://www.biogen.com およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。

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