本資料は、米バイオジェン社が 2019年3月4日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語訳として発表させていただくものです。よって必ずしも日本の状況を反映したものでないことをご了承ください。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

バイオジェンがナイトスター・セラピューティクス社を買収で合意眼科領域における遺伝子治療のパイプラインを確立へ

  • バイオジェンがナイトスター・セラピューティクス社を1株当り25.50ドルで買収へ
  • ナイトスター・セラピューティクス社は失明の原因となる希少な先天性網膜疾患の患者さんに対する新規遺伝子治療薬に特化した企業
  • ナイトスター社は2つのファースト・イン・クラスの中期から後期段階の臨床プログラム、ならびに前臨床プログラムを有する
  • 先行する治験薬NSR-REP1は、コロイデレミア(網膜色素変性の類縁疾患の一つ)に対する第III相試験段階。コロイデレミアは失明につながる希少な神経変性障害であり、承認された治療選択肢はない

米マサチューセッツ州ケンブリッジ、2019年3月4日-バイオジェン(NASDAQ略号BIIB)はナイトスター・セラピューティクス社(以下NST、ナスダック略号:NITE)を買収することで合意したと発表しました。NSTは臨床試験段階にある遺伝子治療薬を開発中の企業で、英国ロンドンを本拠としており、先天性網膜疾患に対するアデノ随伴ウイルス(AAV)治療に特化しています。提案中の買収の条件下で、バイオジェンはNST株1株あたり25.50ドルをキャッシュで支払う予定です。この買収提案は、完全希釈化ベースで約8億ドルに相当し、これは予想される取引関連経費と取引完了時点でのキャッシュを考慮した金額です。

バイオジェンのミシェル・ヴォナッソス最高経営責任者(CEO)は次のように述べています。「眼科領域はバイオジェンにとって新興の成長領域です。私たちはナイトスター社の優秀な社員と共に仕事をする機会が得られることを嬉しく思います。希少な網膜疾患に対する遺伝子治療プログラムを進展させる可能性があるからです。この買収提案を通じて、私たちはさらにパイプラインの強化を継続し、互いに補完し合えるモダリティにまたがる複数のフランチャイズの神経科学パイプラインを進展させるという戦略をさらに推進します。ナイトスター社は、株主への長期的な価値を提供する可能性がある2つの中期から後期段階の遺伝子治療プログラムを通じてバイオジェンの眼科領域への進出を加速してくれるでしょう」。

NSTの先行するプログラムはコロイデレミア(網膜色素変性の類縁疾患の一つ、以下CHM)治療薬のNSR-REP1です。CHMは、希少で変性的X染色体連鎖先天性網膜疾患であり、失明につながります。現在、承認された治療選択肢はありません。CHMは男性に多い疾患であり、Rabエスコートタンパク質-1(REP-1)をエンコードするCHM遺伝子の機能欠損により起こります。REP-1は細胞内のたんぱく質を運搬する役割を果たします。また、CHM遺伝子の機能欠損により、異常な細胞内たんぱく質の運搬ならびに網膜色素上皮と光受容体からの老廃物の除去ができなくなります。CHMの患者さんは、まずは夜間における視力低下を経験し、経時的に視覚喪失が進行します。最終的には完全な失明に至ります。

NSR-REP1はアデノ随伴ウイルスにより構成され、網膜下注射により、機能的CHM遺伝子導入とREP-1の供給により細胞膜間の運搬機能を復活させ、それにより視力の低下を緩慢化、阻止、あるいは回復させる可能性があります。NSR-REP1の第I/II相試験のデータによれば、自然経過に比べて有意な視力低下の緩慢化の可能性が示され、中には視力改善の兆候を示した患者さんも含まれています。NSR-REP1は、現在第III相STAR試験において評価されており、2020年下半期にはデータが得られる見込みです。

NSTの2つ目の臨床プログラムはX連鎖網膜色素変性症(XLRP)の治療薬として開発されているNSR-RPGRです。XLRPも希少な先天性網膜疾患であり、男性に多い疾患で、承認された治療選択肢はありません。XLRPの特徴は網膜色素変性GTPaseレギュレータ(RPGR)遺伝子における変性であり、感光体における活性たんぱく質運搬が消失します。この異常が感光体細胞を喪失させ、青年期および成人期に網膜機能異常を来し、40歳代には法的盲(一定を超えた強い弱視状態)に至ります。

NSR-RPGRはアデノ随伴ウイルスにより構成され、網膜下注射により、感光体におけるたんぱく質運搬に必要とされる、機能的RPGR遺伝子およびRPGRたんぱく質を供給します。感光体機能が復活することで視力の低下を緩慢化、阻止あるいは回復させる可能性があります。NSR-RPGRのXIRIUS試験の第I/II相試験の用量漸増群からのデータによれば、中心網膜感受性の上昇が示されました。XIRIUS試験の第II/III相試験での用量増量群は現在進行中です。

NSTの前臨床段階のパイプラインには、シュタルガルト病を対象としたNSR-ABCA4が含まれています。また、ベスト卵黄状黄斑ジストロフィー(ベスト病)や網膜色素変性症のその他の遺伝子を標的とした可能性があるプログラムも含まれています。

NSTの買収は、手持ちのキャッシュで賄われる予定であり、事業買収として計上されます。バイオジェンは本買収手続きが2019年半ばまでに完了すると見込んでいます。

今回の買収提案は、英国の2006年会社法のパート26のもとで英国裁判所承認スキームによって実行される予定です。この買収提案の完了は、次に掲げるような通例のクロージング条件に従います。すなわち、NST株主の承認、英国裁判所による命令の発行、規制当局の承認などが含まれます。今回の買収提案は、バイオジェン株主の承認を必要としません。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートと フィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、SMAの唯一の治療薬を製品化しました。また、アルツハイマー病、神経免疫疾患、運動性疾患、神経筋障害、痛み、眼科、神経精神医学といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。生物製剤の高い技術力を活かし、バイオジェンは高品質のバイオシミラーの製造と製品化にも注力しています。
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