本資料は、米バイオジェン社が 2022年2月3日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

バイオジェン、2021年度第4四半期および通年業績を発表

総収益: 第4四半期27億3400万ドル、通年109億8200万ドル

GAAP希薄化後EPS: 第4四半期2.50ドル、通年10.40ドル

非GAAP希薄化後EPS: 第4四半期3.39ドル、通年19.22ドル

ADUHELMの償還について、メディケア・メディケイドサービスセンターと協議

バイオシミラー事業の合弁企業における保有株式を最高23億ドルでサムスンバイオロジクス社に売却

開発後期段階の二重特異性抗体について、ジェネンテック社と利益を分配するオプション権を行使

パイプラインの進展: 2022年中に5件の主要なデータリードアウトと3件の申請を予定

マサチューセッツ州ケンブリッジ、2022年2月3日 – バイオジェン(NASDAQ略称 BIIB)は、第4四半期および2021年通年の業績を発表しました。

「困難にも直面しましたが、バイオジェンは第4四半期も継続して着実な実行力を発揮しました。約20年ぶりにFDAが承認したアルツハイマー病治療薬を発売し、当事者の方々が直ちにアクセスできるような方策を模索すべく、メディケア・メディケイド サービスセンターと協議しています」、とバイオジェンの最高経営責任者(CEO)であるミシェル・ヴォナッソスは述べました。

2021年第4四半期の業績

  • 第4四半期の総収益は27億3400万ドルで、実質為替レートおよび恒常為替レートのいずれにおいても、前年同期比4%の減少となりました。
    • 多発性硬化症(MS)の収益(OCREVUS®の売上に関するロイヤルティを含む)は17億8900万ドルで、実質為替レートおよび恒常為替レートのいずれにおいても、前年同期比1%の減少となりました。
    • スピンラザ®の収益は4億4100万ドルで、実質為替レートで前年同期比12%減少し、恒常為替レートで10%減少しました。
    • ADUHELM®の収益は100万ドルでした。
    • バイオシミラーの収益は2億2100万ドルで、実質為替レートで前年同期比12%増加し、恒常為替レートで13%増加しました。
  • GAAPでの第4四半期の純利益および希薄化後の1株当たり利益(EPS)は、それぞれ3億6800万ドルおよび2.50ドルでした。
  • 非GAAPでの第4四半期の純利益および希薄化後のEPSは、それぞれ5億ドルおよび3.39ドルでした。

2021年通年の業績

  • 2021年通年の総収益は109億8200万ドルとなり、実質為替レートで前年比18%減少し、恒常為替レートで19%減少しました。
    • OCREVUSの売上に関するロイヤルティを含め、多発性硬化症(MS)の収益は70億8800万ドルであり、実質為替レートで前年比18%減少し、恒常為替レートで19%減少しました。
    • スピンラザの収益は19億500万ドル、実質為替レートで前年比7%減少し、恒常為替レートで9%減少しました。
    • ADUHELMの収益は300万ドルでした。
    • バイオシミラーの収益は8億3100万ドルで、実質為替レートで前年比4%増加し、恒常為替レートで1%増加しました。
  • GAAPでの通年の純利益および希薄化後EPSは、それぞれ15億5600万ドルおよび10.40ドルでした。
  • 非GAAPでの通年の純利益および希薄化後EPSは、それぞれ28億7500万ドルおよび19.22ドルでした。

最近のハイライト

  • 2022年1月、バイオジェンとサムスンバイオロジクス社は、両社の合弁企業であるサムスンバイオエピス社について、バイオジェンが保有する株式をサムスンバイオロジクス社に総額最高23億ドルで売却することで合意しました。バイオジェンは両社の既存の契約条項に従って、特定のサムスンバイオエピス社のバイオシミラーについて製品化を継続します。バイオジェンは欧州における抗TNF製剤のバイオシミラーについて、引き続き製品化に関連する収益およびコストを計上しますが、その収支に実質的な変更はありません。この取引の完了は現在のところ2022年半ばを見込んでいますが、サムスンバイオロジクス社が提出する有価証券届出書の有効性と、特定の薬事上および他の慣習的な条件が満たされた後に完了するものとします。
  • 2022年1月、バイオジェンはジェネンテック社に対して、非ホジキンリンパ腫および他の治療領域を対象に開発中のCD20xCD3 T細胞に結合する二重特異性抗体mosunetuzumab の開発および製品化に参加するオプション権を行使しました。バイオジェンはオプション権行使に関わる3000万ドルの一時金をジェネンテック社に支払うとともに、2021年中に発生したmosunetuzumabの開発費用の一部として約2000万ドルを支払います。バイオジェンは開発および製品化に関連する意思決定に共同で参画する権利を有しますが、ジェネンテック社は引き続き開発および製品化プログラムの戦略および実行をリードします。バイオジェンは米国におけるmosunetuzumab の営業損益について30%台前半から半ばの割合で分担し、米国外での売上に対して1桁台前半のロイヤルティを受領する権利を有します。

ADUHELMに関するアップデート

  • 2022年1月、バイオジェンとエーザイはADUHELMの臨床第IV相市販後検証ENVISION試験に関する詳細を発表しました。両社は2022年3月に最終プロトコルをFDAに提出し、2022年5月に最初の被験者のスクリーニングを開始する予定です。
    • 本試験はFDAによる迅速承認の一環として市販後に求められているもので、1,500名の早期アルツハイマー病当事者の登録をめざす、プラセボ対照国際共同試験となります。両社は米国における被験者の18%を黒人/アフリカ系およびヒスパニック/ラテン系の方々から登録することをめざします。
    • ADUHELMのこれまでの第III相臨床試験の被験者登録速度に基づくと、主要評価の完了時期は、試験開始から約4年後を見込んでいます。
    • 本試験の主要評価項目は、ADUHELMの投与開始から18カ月後のCDR-SB (Clinical Dementia Rating-Sum of Boxes) となります。
    • 副次評価項目として、Alzheimer's Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale、Alzheimer's Disease Cooperative Study - Activities of Daily Living Inventory - Mild Cognitive Impairment Version、Integrated Alzheimer's Disease Rating Scale、Mini-Mental State Examination、およびNeuropsychiatric Inventory-10を用います。
    • また本試験は最長48カ月までのより長期の治療データを収集するために、長期間の延長を計画しています。
  • 2022年1月、メディケア・メディケイド サービスセンター(CMS)は、FDAがアルツハイマー病治療薬として承認したアミロイドを標的とするモノクローナル抗体に対するメディケアの適用を、適格な臨床試験の被験者に限定するというNational Coverage Determination (NCD) 案を発表しました。最終的なNCDは2022年4月に発表される予定です。
  • 2021年第4四半期、バイオジェンは、2022年1月1日から米国でのADUHELMの卸業者購入価格を約50%引き下げることを発表しました。これにより、平均体重(74 kg)の当事者の方の場合、維持投与量(10mg/kg)による年間の薬剤費が28,200ドルとなります。
  • 2021年第4四半期、バイオジェンとエーザイは日本の厚生労働省の諮問機関である薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会において、アルツハイマー病治療薬アデュカヌマブの製造販売承認申請について、審議継続されることとなったことを発表しました。本部会は、継続審議のプロセスの中で追加データの提出を求めています。両社は追加データの要件について合意すべく、日本の医薬品医療機器総合機構と活発な協議を継続してまいります。
  • 2021年第4四半期、バイオジェンとエーザイは欧州医薬品庁の欧州医薬品委員会(CHMP)は、早期段階のアルツハイマー病の治療薬候補であるアデュカヌマブの販売承認申請について、否定的見解を採択したことを発表しました。本見解は2021年11月のCHMPによる否定的なTrend Voteと一致しています。バイオジェンはCHMPに対して再審議を請求しています。
  • 2021年第4四半期、バイオジェンとエーザイはアルツハイマー病臨床試験(CTAD)年次会議において、ADUHELMの第III相臨床試験に登録された1,800人以上の被験者の方々からの約7,000の血漿サンプルの解析により、アルツハイマー病における血漿p-tau181の減少とアルツハイマー病における認知機能と日常生活機能の低下抑制の間の統計的に有意な相関を示したデータを発表しました。血漿p-tau181の減少はまた、アミロイドβプラークの減少とも相関性がありました。ADUHELMの2本の臨床第III相試験であるEMERGE試験、ENGAGE試験から得られた血漿サンプルの解析は、独立した研究所によって実施されました。

レカネマブ (BAN2401) に関するアップデート

  • 2021年第4四半期、エーザイとバイオジェンは早期アルツハイマー病(AD)治療薬候補として開発中の抗アミロイドベータ(Aβ)抗体レカネマブが、FDAよりファストトラック指定を受領したことを発表しました。FDAは2021年6月にレカネマブをブレークスルーセラピーに指定しました。
  • 2021年第4四半期、エーザイとバイオジェンはCTAD年次会議において以下のデータを発表しました。
    • レカネマブの臨床第III相AHEAD 3-45試験における血漿ベースのバイオマーカーの探索的使用について。AHEAD 3-45試験は、ADの病理を解明しスクリーニングのプロセスを加速させる可能性を模索するために、これらのバイオマーカーを使用する初の発症前ADの試験
    • ADによる軽度認知障害(MCI)および軽度AD(総称して早期AD)において、複数の統計モデルによるレカネマブの有効性の一貫性を評価する感度分析の結果

Zuranoloneに関するアップデート

  • 2021年第4四半期、Sage社はCORAL試験の主要評価項目を投与開始から3日目に測定するHAMD-17のベースラインからの変化量と発表しました。このアップデートは、標準的な抗うつ薬と同時にzuranoloneの投与を開始した大うつ病の患者は、うつ症状の迅速な軽減と治療期間を通じてベネフィットを得られることを示すという本試験の目標と合致します。
  • 2021年第4四半期、Sage社とバイオジェンは、大うつ病を対象に継続中の臨床第III相オープンラベルSHORELINE試験において、初回投与としてzuranolone 50 mgを1日1回14日間毎晩投与された後に、12カ月にわたって追跡された患者コホート(n=199)の12カ月間のデータを発表しました。安全性と忍容性の主要評価項目について、これまでに解析されたデータによるとzuranoloneは一般に忍容性が高く、1人当たりの被験者が投与されたzuranoloneのサイクル数に関わらず、これまでに得られた長期安全性データで新たな安全性の事象や傾向は特定されませんでした。さらに、約75%の被験者が、17項目からなるHamilton Rating Scale for Depressionの評価で、最初の2週間の治療サイクルで効果を示しました。最初の治療コースで効果を示し試験を継続した被験者のうち、約80%の方々は本試験に参加中に多くても1回のzuranoloneによる追加の治療を受けました。

その他のパイプラインに関するアップデート

  • 2022年1月、バイオジェンは遺伝性の希少な神経発達障害であるアンジェルマン症候群に対するBIIB121の第I相臨床試験で、最初の被験者への投薬が行われたことを発表しました。
  • 2021年第4四半期、バイオジェンは保有するオプション権を行使して、SMAに対して開発中のスピンラザと比較して投与間隔を延長する可能性があるアンチセンスオリゴヌクレオチドであるBIIB115の開発および製品化について、ロイヤルティを伴う世界的な独占的ライセンスをアイオニス社から取得しました。このオプション権行使の一環として、バイオジェンは2021年第4四半期に6000万ドルの前払い一時金を支払いました。
  • 2021年第4四半期、バイオジェンとTheraPanacea社は既存の両社の関係をさらに発展させるために、神経科学の複数の治療領域に注力した提携を締結したことを発表しました。この提携の目的は、神経学における個別化および早期治療のために、革新的な機械学習と人工知能のソリューションを開発することです。本契約の条件により、バイオジェンはTheraPanacea社の転換社債と引き換えに最高で1500万ドルを投資します。バイオジェンは神経科学におけるTheraPanacea社のテクノロジーの独占権を取得します。

テクフィデラおよびVUMERITYに関するアップデート

  • 2020年、米国ウェストバージニア州およびデラウェア州の連邦裁判所は「オレンジブック」に掲載されているテクフィデラの特許に関連した特許侵害訴訟で、被告側に有利な判決を登録しました。2021年後半、米国連邦巡回控訴裁判所はウェストバージニア州連邦裁判所の判決を支持しました。
  • 2021年第4四半期、バイオジェンは欧州委員会が、再発寛解型多発性硬化症の成人患者の治療薬としてVUMERITY® (フマル酸ジロキシメル)の販売を承認したと発表しました。

経営陣に関するアップデート

  • 2021年第4四半期、Head of Research & Development であるAlfred W. Sandrock, Jr., M.D., Ph.D.が2021年12月31日付で退職するのに伴い、Head of Global Safety and Regulatory Sciencesおよび日本と中国の研究開発を統括するPriya Singhal, M.D., M.P.H.が、正式な後任が任命されるまでの間Head of Research & Developmentとして暫定的にDr. Sandrockの役割を担うことになりました。

その他の最近の出来事

  • 2021年第4四半期、バイオジェンは他のどのバイオテクノロジー企業も上回る9年連続でダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックスに選定され、最も多く選定されたバイオテクノロジー企業として業界最多記録を達成したことを発表しました。この評価は、環境、社会貢献、企業統治の課題に対するバイオジェンの長年にわたるリーダーシップと透明性を際立たせるものです。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、神経筋障害、運動障害、眼疾患、免疫疾患、神経認知障害、急性神経疾患および疼痛といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。
2020年、バイオジェンは、気候、健康、公平さが深く相互に関連する課題に対して、20年間に2億5000万ドルを投資する大規模な取組みを開始しました。Healthy Climate, Healthy Lives ™は、ビジネス全体で化石燃料の使用をゼロにし、著名な研究機関とのコラボレーションを構築して科学研究を進展させ、人類の健康を改善し、発展途上のコミュニティをサポートすることを目的としています。
バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、www.biogen.com およびSNS媒体TwitterLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

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