2017年09月19日

バイオジェンのテクフィデラ®・タイサブリ®
日本人患者に対する有効性を新データが裏付け
 

世界神経学会議(WCN)で発表されたデータは、多発性硬化症患者における先行試験と一致した成績が報告された

東京発 –2017年9月19日 – バイオジェン (NASDAQ略号: BIIB)が発表した新データは、再発寛解型多発性硬化症の日本人におけるテクフィデラ®(一般名:フマル酸ジメチル)とタイサブリ®(一般名:ナタリズマブ)の有効性と安全性を確認するものでした。また、これらデータは、欧米にて行われた多発性硬化症(MS)患者における臨床試験結果と一致した成績でした。これらのデータは、京都で開催された第13回世界神経学会議(WCN)(2017年9月16日~21日)で発表されました。

バイオジェンは、世界で最も多く処方されている経口のMS治療薬であるテクフィデラを2月に日本で発売しました。タイサブリは2014年以来日本で使用されており、唯一の標的型で有効性の高いMS治療薬として10年以上の世界における臨床経験を有しています。

バイオジェン・ジャパン株式会社の代表取締役社長、鳥居慎一は次のように述べています。「多発性硬化症は民族を問わず罹患する多様性のある疾患であり、患者さん毎に異なる疾患の経過を考慮して治療法決定する必要があります。これら新データは、日本人患者さんにおいてMSの疾患活動性を減少させる点で、テクフィデラとタイサブリの有用性を更に裏付けるものであり、数千名もの再発寛解型MSの患者さん対象に実施された臨床試験の堅固な成績とも一致していました」。

 

テクフィデラの有効性と安全性は日本と海外の患者に共通

日本人の患者対象の第Ⅲ相APEX試験のデータの事後解析結果は、テクフィデラの先行臨床試験で観察された結果と一貫しており、日本人患者全体、特に未治療の再発寛解型MSの日本人患者における強い有効性と好ましい安全性プロファイルを示しています。

APEX試験は東アジアおよび東欧の再発寛解型MS患者を対象に、テクフィデラのプラセボを対照とした24週間の二重盲検比較試験でした。この試験に登録された患者の約半数(114/225)は日本からの参加者でした。研究者らは、日本人患者におけるテクフィデラの有効性と安全性を評価した。「テクフィデラはプラセボと比較して、24週間の試験期間において年間再発率(ARR)を48%と有意に減らした(95%信頼区間[CI]), 7.4-71.2」。さらに8週時点より再発のリスクが低下し始めました。(0.44, 95% CI [0.23, 0.87])」。また、テクフィデラはMRIの新規のガドリニウム(Gd+)造影病巣数を78%、T2強調病変数の平均を63%減らしました(いずれもp<0.0001)。さらに他のデータによって、テクフィデラの好ましい有効性と安全性のプロファイルが確認されています。


別途実施されたAPEXサブグループ解析で、MS未治療の日本人患者の少数のコホート(n=25)の解析が行われました。テクフィデラの有効性は、APEXにおける日本人患者全体と比較して、これらの患者においてより効果が高い傾向が示されました。未治療の患者においては、テクフィデラによってARRが62.1%と下がりました。(95%信頼区間[CI] [-1.0, 85.8])また、24週時点において再発していた患者の割合はプラセボ比で72.2%と有意に下がりました。(95%信頼区間[CI] [20.7, 90.2])。テクフィデラによる治療により、新規のガドリニウム(Gd+)造影病巣数、および新規もしくは新たに拡大したT2強調病変数は、それぞれ94.3%(95%信頼区間[CI] [78.8, 98.5])および69.6%(95%信頼区間[CI] [[42.1, 84.1])と有意に減少しました。未治療の日本人患者において観察されたテクフィデラの安全性プロファイルは、APEXの他の解析および先行の臨床試験の成績と一貫性を示しました。

 

日本人におけるタイサブリの実臨床での効果の裏付けおよび、フィンゴリモドとの有効性比較

日本人MS患者におけるタイサブリ市販後の実臨床下における安全性ならびに有効性を、調査開始から20カ月のタイミングで中間解析し、国内第Ⅱ相試験からの継続患者、市販後の新規患者にて評価を行いました。

日本におけるタイサブリの承認条件として、実臨床下での安全性ならびに有効性を確認する目的で、タイサブリ使用患者全例を登録する観察期間2年間の使用成績調査(本調査)を2014年6月の発売より実施しております。本調査には、市販後に登録された患者のみではなく、国内第Ⅱ相試験からの継続患者も含まれておりました。中間解析結果から、実臨床下で観察されたタイサブリの安全性と有効性は、これまでの国内および海外の臨床試験や海外の観察研究で示された結果と同様でした。タイサブリの未使用患者は、ARRがベースラインから78.3%(p<0.001)低下しました。また国内第Ⅱ相からタイサブリによる治療を継続していた患者においては、ARRは維持されました。身体的障害の進行においてはExpanded Disability. Status Scale(EDSS)にて評価を行い、タイサブリ未使用患者、第Ⅱ相からの継続患者ともに、ベースラインと比較し、最終評価時点において有意な悪化を認めませんでした。

またもう一つの演題では、タイサブリとフィンゴリモドの有効性が比較されました。REVEAL試験は、再発寛解型MS患者における無作為化・プロスペクティブ・直接比較の第Ⅳ相試験で、MRI上の活動性の比較を目的としています。24週時点において、タイサブリによる治療を受けた患者では、フィンゴリモドによる治療を受けた患者に比べて新たなT1-Gd+造影病変の蓄積が有意に低い割合を示しました  (p=0.004)。その結果、2つ以上の新たなT1-Gd+造影病変が生じる可能性が有意に下がりました    (p=0.007)。いずれの治療群の患者も、24週における新規の、もしくは新たに拡大したT2病変および、T1-Gd+造影病変のベースラインからの変化は同等でしたが、タイサブリはT2病変の体積変化がフィンゴリモドよりも安定的な傾向を示しました。

 

テクフィデラに関するデータ発表の詳細の抜粋:

  • プラセボ対照第Ⅲ相APEX試験における日本人の再発型多発性硬化症の患者に対する遅延放出性フマル酸ジメチルの有効性-紙のポスターPP36-9月19日火曜日午後2時から6時半(日本時間)
  • 日本人の再発型多発性硬化症の患者に対する遅延放出性フマル酸ジメチルの安全性:APEXパート1試験のサブグループ解析-紙のポスターPP36-9月19日火曜日午後2時から6時半(日本時間)
  • 日本人の未治療再発型多発性硬化症の患者に対する遅延放出性フマル酸ジメチルの有効性と安全性:APEX試験の事後サブグループ解析-紙のポスターPP36-9月19日火曜日午後2時から6時半(日本時間)

 

タイサブリに関するデータ発表の詳細の抜粋:

  • 活発な再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の患者におけるナタリズマブとフィンゴリモドの比較:REVEAL試験に基づく疾患活動性のMRI評価による比較。REVEALは無作為化直接比較第Ⅳ相試験-紙のポスターPP34-9月17日日曜日午前8時から午後1時15分(日本時間)
  • ナタリズマブの安全性と効果:日本における2年間の市販後調査の中間結果-紙のポスターPP37-9月20日水曜日午後2時から6時30分(日本時間)

 

テクフィデラ®について

テクフィデラはMSで最も多くみられる病態である再発寛解型MSなど再発型MSに対する経口治療薬です。これまでにテクフィデラによる治療を受けた患者さんは世界で25万人にのぼります 。

テクフィデラはMSの再発率の減少、身体障害の進行抑制、およびMRI上の脳病変に影響を及ぼすことが明らかになっています。また、再発寛解型MSの人々、とくに新たに診断された、もしくは早期に切替られた患者において好ましい有効性・安全性プロファイルを示しています 。臨床試験において共通して報告されたテクフィデラ関連の有害事象は、紅潮と消化器症状でした。その他の副作用としては、リンパ球数の減少(治療初年度に低下しその後安定化)と肝機能異常(治療中止後に速やかに改善)でした。テクフィデラの禁忌は、フマル酸ジメチルまたはテクフィデラの添加物に過敏である患者です。脳の稀な日和見ウイルス感染症で、死亡や重篤な身体障害に関与する進行性多巣性白質脳症(PML)が、テクフィデラ投与中で中等度から重度でリンパ球数が遷延化している患者に稀に発生しています。

テクフィデラの有効性と安全性の検証は、進行中の長期延長試験などの大規模なグローバル臨床試験で行われてきました。

 

タイサブリ®について

タイサブリは疾患修飾薬(DMT)の一つで、米国、EU、カナダ、オーストラリア、スイスなど80カ国以上で承認されています。米国においては、タイサブリは再発寛解型MSの単剤療法として適応が認められています。EUでは、活動性が高い再発寛解型MSに罹患する成人における単剤での適応が認められており、一つ以上のDMTによる治療を経たにもかかわらず、高い疾患活動性を有する患者さん、または急速に進展する重篤な再発寛解型MSが対象です。タイサブリは再発寛解型MSの治療に10年の実績があります。世界で治療を受けた患者数は16万7千名にのぼり、57万9千人年の実績があります 。

タイサブリはα4-インテグリンと選択的に結合するモノクローナル抗体の一種であり、α4β1-インテグリンとvascular cell adhesion molecule-1の間の相互作用を遮断することでMS患者の炎症性細胞の活性を阻害すると考えられています。こうした分子の相互作用が遮断されると内皮間白血球の炎症を起こした実質組織への移転が妨げられます。タイサブリはこのようにMSに作用すると考えられていますが、その具体的なメカニズムが完全に解明されているわけではありません。

タイサブリはMS患者の治療を進歩させました。よりプロファイリングされた安全性とともに、その身体障害の進行を抑制する効果、再発率を低下させる効果、MRIで測定される脳病変の数を低下させる効果が証明されています。「ニューイングランドジャーナルオブメディスン」誌に掲載された第Ⅲ相AFFIRM試験からのデータは、以下を示しています。「試験の開始から2年目で、タイサブリによる治療がAARのプラセボ比で68%という相対的な減少につながった(p<0.001)。また、身体障害進行の相対的リスクを42%から54%減少させた。(それぞれ第12週から第24週まで維持された。いずれもp<0.001)」。

タイサブリは脳の希少な日和見ウイルス感染症であり、死亡または重篤な身体障害に関与してきたPMLのリスクを上昇させます。PMLのリスクを上昇させるリスクファクターは、抗JCV抗体の存在、免疫抑制剤の前投与、およびタイサブリによる長期間の治療です。3つのリスクファクターを全て備えた患者はPMLの発症リスクが最大化しています。タイサブリは、単純ヘルペスと水痘帯状疱疹ウイルスによる脳炎と髄膜炎の発症リスクを高めます。また、市販後において、臨床的に有意な肝障害も報告されています。タイサブリの投与を受けているMS患者の市販後における重篤な症例や命に関わる症例、時として致命的な症例が報告されています。タイサブリによる治療を受けた患者さんのその他の重篤な有害事象には、過敏性反応(例:アナフィラキシー)と日和見感染や非定形感染などの感染症があります。

 

バイオジェンについて

最先端の科学と医学を通じて、バイオジェンは重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、世界中の患者さんに提供しています。1978年に設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業のパイオニアであり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の唯一の治療薬を製品化しました。また、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。生物製剤の高い技術力を活かし、バイオジェンは高品質のバイオシミラーの製造と製品化にも注力しています。当社に関する情報については、http://www.biogen.com およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。

 

ⅰ 2017年1月31日現在のテクフィデラに対する市販後試験と臨床試験の曝露の合計。
ⅱテクフィデラは欧州連合では、再発寛解型多発性硬化症に対して適応が認められています。
ⅲ 2017年2月28日現在。

CA-JPN-0089

その他のプレスリリース

  • 2017年12月22日バイオジェンとIONISが脊髄性筋萎縮症に対する さらなる革新的治療法の共同開発を開始
  • 2017年12月21日BAN2401の早期アルツハイマー病を対象としたアダプティブ臨床第Ⅱ相試験を18カ月のエンドポイントに向け継続
  • 2017年11月07日バイオジェンが開発中のアルツハイマー病治療薬aducanumab第Ib相試験の長期継続投与(LTE)からの新データを発表
  • 2017年11月07日The New England Journal of Medicine誌が脊髄性筋萎縮症治療薬スピンラザの第III相試験結果を掲載
  • 2017年10月31日バイオジェン/IONISのスピンラザが権威あるガリアン賞でベストバイオテクノロジー製品賞を受賞