本資料は、米バイオジェン社が 2018年4月24日(現地時間)に発表したプレスリリースについてハイライト部分を一部抜粋して日本語訳として発表させていただくものです。よって必ずしも日本の状況を反映したものでないことをご了承ください。内容につきましては原本である英文が優先します。プレスリリースの英語全文につきましては、米バイオジェン社のウェブサイトをご覧ください。

 

バイオジェンの第1四半期売上、31億ドルを達成

  • 総売上は11%増(血友病関連の売上を除くと15%増)*
  • GAAPで希薄化後のEPSは60%増。非GAAP EPS は16%増
  • 神経精神医学領域で新しい第Ⅱ相プログラムを追加
  • IONIS Pharmaceuticalsとの業界をリードする中枢神経系アンチセンス・オリゴヌクレオチド基盤に投資

米マサチューセッツ州ケンブリッジ、2018年4月24日 – バイオジェン (Nasdaq略号: BIIB) は、2018年度第1四半期の業績を発表しました。概要は以下の通りです:

  • 総売上は11%増(血友病関連売上を除くと15%増)*
    • 多発性硬化症(MS)関連売上は21億ドル(約7700万ドルのOCREVUS®関連ロイヤルティを含む)。
    • 売上増の原動力はスピンラザ®で、全世界の売上に3億6400万ドルの貢献。またバイオシミラー事業は1億2800万ドルの貢献。その他の売上は1億 6400万ドル。
  • バイオジェンによるGAAP ベース純利益と希薄化後1株当たり利益(EPS)は、それぞれ12億ドルと5.54ドル。前年同期はそれぞれ7億4800万ドルと3.46ドルでした。
    • 前年第1四半期のGAAP ベースの純利益と希薄化後EPSは、それぞれ税引き後で2億4300万ドルと1.14ドルで、バイオジェンのフォワードファーマ社に対する特許抵触手続きでのアメリカ合衆国特許商標庁のバイオジェンに有利な裁定に影響されている。
  • バイオジェンによる非GAAP ベース純利益と希薄化後EPS)は、それぞれ13億ドルと6.05ドルで、前年同期はそれぞれ11億ドルと5.20ドルでした。

* 2017年第1四半期に、バイオジェンはグローバル血友病事業のスピンオフを完了しました。総売上15%増からは、2017年1月の血友病総売上が除外されています。血友病売上には、イロクテイト®とオルプロリクス®の製品売上が含まれています。Sobi社に対するロイヤルティと契約製造売上も含まれています。

 
  • 2017年第4四半期のGAAP純利益とEPSは、それぞれ12億ドルと5.51ドルの悪影響を受けています。その原因は、移行課税と2017年税制改革法に関連する当社の純繰延税金資産の再査定によるものです。

バイオジェンのミシェル・ヴォナッソス最高経営責任者(CEO)は次のように述べています。「2018年度は好調なスタートを切りました。第1四半期の売上は前年同期比11%伸びています。血友病関連売上を除けば15%です。予想通りの展開です。期初に想定内の時節的要因を経験しましたが、当社の多発性硬化症関連事業の基盤と回復力は強靭さを保っています。バイオジェンは脊髄性筋萎縮症(SMA)における長期的なリーダーシップを確立しており、スピンラザは今後も全世界で成長を続ける機会に恵まれています」。「ニューロサイエンスのパイオニアとして、私たちはアンメットニーズの強い領域で画期的治療薬となりうるポートフォリオの発展と拡大を続けました。私たちは、神経精神医学という新興成長分野で新しい第Ⅱ相段階の資産を追加しました。また、神経学的疾患に対する遺伝子に基づく治療薬候補の新しいパイプラインを構築するため、IONIS社との提携を大きく強化しました」。

売上のハイライト

事業開発についての新情報

  • 2018年4月、バイオジェンとIONIS Pharmaceuticals社(以下「IONIS」)は新たな10年間の包括的提携合意を発表しました。本合意は、バイオジェンの神経科学領域の研究と医薬品開発におけるリーダーシップ、ならびにIONISのアンチセンス・オリゴヌクレオチド(ASO)医薬品探索におけるリーダーシップを活用するものです。その目的は、広範な神経科学領域の疾患のために新たな遺伝子に基づく医薬品候補を開発することにあります。本提携の条件下で、バイオジェンは前払い一時金として3億7500万ドルを支払うとともに、5億ドル相当のIONIS株式を25%のキャッシュプレミアム付きで取得します。総支払額は10億ドルとなる見込みです。バイオジェンには本提携から生まれる治療薬候補をライセンスするオプション権を保有し、その開発と製品化を担当します。バイオジェンは適応症に応じて最高1億2500万ドルから2億7000万ドルの開発マイルストーン、ならびに純売上に応じたロイヤルティも支払う可能性があります。この取引は慣例的な締結条件の対象となるものであり、それには、米国において1976年に成立したハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法の下で適用可能な待機期間の満了が含まれます。この取引が成立するのは2018年第2四半期と見込まれます。
  • 2018年3月、バイオジェンはファイザー社からBIIB104 (ファイザーでの呼称はPF-04958242)を導入することで同社と合意したと発表し、この取引は4月24日をもって完了しました。BIIB104は統合失調症に伴う認知障害(CIAS)を適応症とするファースト・イン・クラスで第IIb相試験準備中のAMPA受容体増強薬であり、バイオジェン初の神経精神医学領域でのプログラムです。AMPA受容体は中枢神経系における速い興奮性シナプス伝達を媒介します。BIIB104は、これまでに第Ib相臨床試験において主要な認知ドメイン全般で、許容範囲の安全性プロファイルと治療効果の兆候を示しています。  この買収には7500万ドルの前払い一時金と開発と製品化の進展によって最高5億1500万ドルのマイルストーン支払いならびに10%台前半の段階的ロイヤルティが含まれています。

最近のイベント

  • 今週、米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されている米国神経学会(AAN)の第70回年次会議で、バイオジェンは自社の既存薬のポートフォリオおよび神経変性疾患領域における臨床開発プログラムからデータを発表しています。口演とポスター発表により、スピンラザが様々な年齢と病態のSMAの患者さんに提供しているベネフィットを強調しています。またMSにおいては、MS患者さんのケア向上のために検討されたバイオジェンのMS治療薬と薬物治療以外のアプローチに関する研究協力、および当社がアルツハイマー病、パーキンソン病および進行性核上性麻痺(PSP)のために開発中の治療薬候補のベネフィットについても強調しています。
  • 2018年4月、バイオジェンの提携先であるApplied Genetic Technologies Corporationは、同社が開発中のAAVベースの遺伝子治療を第I/ II相臨床試験で最初の患者さんに投与したことを発表しました。この臨床試験は、X-連鎖網膜色素変性のためのAAVベースの遺伝子治療の安全性と有効性を評価するために実施されています。
  • 2018年4月、バイオジェンとSamsung Bioepis社は、ヒュミラ®(アダリムマブ)のバイオシミラーであるIMRALDITMの商品化についてアッヴィ社と合意したと発表しました。本合意の条件下で、アッヴィ社は欧州におけるIMRALDIの使用と販売のための特許ライセンスを国毎に供与することになります。両社は、係争中の特許訴訟を全て取り下げることで合意しています。バイオジェンはIMRALDIの欧州における発売時期を2018年10月と見込んでいます。
  • 2018年3月、バイオジェンはBIIB095の第I相試験を開始しました。BIIB095は神経性疼痛用のNav 1.7 阻害剤です。
  • 2018年3月、バイオジェンはイタリアのトリノで開催されているアルツハイマー病とパーキンソン病に関する「Advances in Alzheimer’s and Parkinson’s Therapies (AAT-AD/PD) Focus Meeting」という会議で同社が開発中の神経変性疾患治療薬のポートフォリオからデータを発表しました。発表されたデータには、Aducanumabの早期アルツハイマー病における第Ib相PRIME試験からの解析が含まれます。それによると、アミロイド斑のベースラインからの69%の減少が示されています。この測定には10mg/kg治療群においてセンチロイド転換スケールが54週時点で使用されています。(P<0.001 プラセボ対照
  • 2018年3月、バイオジェンは米バージニア州アーリントンで開催された筋ジストロフィー協会(MDA)の臨床会議でスピンラザのSMA治療に関する新データを発表しました。データには、NURTURE試験からの第II相試験結果が含まれます。NURTURE試験は、進行中の非盲検・単群試験であり、SMAの発症前乳幼児におけるスピンラザの有効性と安全性の評価を目的としています。NURTURE試験では、スピンラザによる治療を受けた全ての乳幼児が生存しており、人工呼吸器の永久装着を必要としませんでした。また、2017年7月5日時点で、運動機能と運動マイルストーン達成度の改善を示しました。また、バイオジェンは青少年でのスピンラザの効果を示す症例も発表しました。
  • 2018年3月、バイオジェンとアッヴィ社は再発寛解型MS治療薬ZINBRYTAの全世界での自主回収を発表しました。両社は、本剤による治療を受けている患者数が限定的であるため、ZINBRYTAの複雑なリスク・ベネフィットのプロファイルを鑑み、今後提供を続けることが難しいと考えています。
  • 2018年2月、CHERISH試験の最終結果がニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載されました。CHERISH試験は遅発型SMAの患者さんの治療においてスピンラザを評価するための第III相試験です。CHERISH試験の結果では、遅発型SMAの患者さんにおいて運動機能と上肢の有意な改善が示されました。こうした改善が疾患の自然経過で見られることは稀です。無治療では運動機能は経時的に低下し続けます。
  • 2018年2月、急性虚血性脳卒中(AIS)の患者さんに対する用量設定目的の第IIb相ACTION2試験において、ナタリズマブがプラセボ群と比較して臨床上の治療成果の改善を示せなかったことを発表しました。いずれの用量においても全般的にナタリズマブの忍容性は良好で、重大な安全性に関する兆候は示されませんでした。第IIb相ACTION2試験結果は、ナタリズマブがすでに取得している多発性硬化症(MS)の適応症のリスク・ベネフィット・プロファイルに影響することはありません。AISの適応症でのナタリズマブのさらなる開発予定はありません。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートと フィリップ・シャープらにより設立されたバイオジェンは、世界で最も歴史のあるバイオテクノロジー企業の一つであり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の唯一の治療薬を製品化しました。また、アルツハイマー病、神経免疫疾患、運動性疾患、神経筋障害、痛み、眼科、神経精神医学といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。生物製剤の高い技術力を活かし、バイオジェンは高品質のバイオシミラーの製造と製品化にも注力しています。
当社に関する情報については、https://www.biogen.com およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。

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