2022年01月13日

本資料は、米バイオジェン社が 2022年1月4日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

バイオジェン、SMA治療薬候補のASOの開発と
製品化で、
アイオニス社との契約に
基づきオプション権を行使

BIIB115は、投与間隔を延長する可能性がある前臨床段階のASO(アンチセンスオリゴヌクレオチド)
バイオジェンは、前払い一時金としてアイオニス社に6000万ドルを支払う

米マサチューセッツ州ケンブリッジおよび同カリフォルニア州カールスバッド、2022年1月4日 – バイオジェン(NASDAQ略称BIIB)とアイオニス・ファーマシューティカルズ(Ionis Pharmaceuticals, Inc.、以下、アイオニス社、NASDAQ略称IONS)は、バイオジェンが保有するオプション権を行使して、BIIB115/ION306の開発および製品化について、ロイヤルティを伴う世界的な独占的ライセンスをアイオニス社から取得したことを発表しました。両社はすでに神経疾患の新規治療薬の開発について、広範な戦略的提携を締結しています。BIIB115は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬候補として開発中のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)で、患者さんのさらなるアンメットニーズ(まだ満たされない医療ニーズ)に対応するだけでなく、投与間隔を延長する可能性を有します。バイオジェンはBIIB115の安全性、忍容性、薬物動態、有効性を研究するための臨床試験を開始する予定です。

バイオジェンのバイスプレジデントで神経筋領域開発ユニットの部門長であるトビー・ファーガソン(Toby Ferguson, M.D., Ph.D.)は次のように述べています。「バイオジェンの神経学領域における専門性とアイオニス社のアンチセンス技術におけるリーダーシップを組み合わせた結果、スピンラザ®(一般名:ヌシネルセン)はSMA治療の基盤となりました。しかし、SMAの患者さんには未だアンメットニーズが存在します。私たちは、SMAに関わるコミュニティで、患者さんに意義のある影響をもたらし得るBIIB115のような革新的治療薬の追求を継続できることを喜ばしく思います」。

SMAの特徴は脊髄および脳幹下部における運動ニューロンの喪失で、重症かつ進行性の筋萎縮に至ります。SMAの患者さんは、運動ニューロンの維持に不可欠なサバイバル運動ニューロン(SMN)タンパク質を十分に産生することができません。BIIB115は、機能性SMNタンパク質の産生を増加させることでSMAの根本原因を標的にするべく設計されています。

アイオニス社のエグゼクティブバイスプレジデント兼チーフ・サイエンティフィック・オフィサーで、神経学プログラムのフランチャイズリーダーであるC.フランク・ベネット(C. Frank Bennett, Ph.D.)は次のように述べています。「スピンラザは、それまで不可能と思われていたマイルストーンに患者さんが到達することを可能にしてご家族に希望を与え、SMAの標準治療に変革をもたらしました。BIIB115/ION306は、神経疾患に苦しむ患者さんに多大なベネフィットをもたらす可能性のある医薬品の創薬と開発で協力するという、当社とバイオジェンとの充実した提携を表す新たな成果となりました」。

バイオジェンは、このオプション権行使の一環として、2021年第4四半期に6000万ドルの一時金をアイオニス社に支払いました。今後は、ライセンス後の開発、薬事上の成果、製品化に伴うマイルストーン支払いと、年間の世界全体での正味売上高に基づくロイヤルティを支払う可能性があります。バイオジェンは、このオプション権行使後のBIIB115の開発、製造、製品化に関連するコストと経費を単独で負担します。

スピンラザ® (ヌシネルセン)注 髄腔内投与(12 mg/5 mL)について
スピンラザの臨床開発プログラムは10件の臨床研究に及ぶもので、2本の無作為化比較試験(ENDEARおよびCHERISH)を含め、広範囲の患者群1にまたがる300名以上の被験者を組み入れています。進行中のオープンラベル延長試験であるSHINEおよびNURTUREでは、スピンラザの長期的な影響を評価しています。臨床研究で最も多く見られた有害事象は、呼吸器感染症、発熱、便秘、頭痛、嘔吐、背部痛でした。一部のASO投与後に見られる腎毒性および急性で重篤な血小板数の低下を含む凝固異常は、臨床検査によって測定することが可能です。
バイオジェンは、アンチセンス治療薬のリーダーであるアイオニス・ファーマシューティカルズ社(NASDAQ略称IONS)から、スピンラザの開発、製造、製品化に関わる全世界でのライセンスを取得しました。米国でのスピンラザに関する重要な安全性情報および詳細な処方情報はそれぞれのリンクをクリック、または各国の製品ウェブサイトをご参照ください。

脊髄性筋萎縮症(SMA)について
SMAは希少な遺伝性神経筋疾患で、その影響は全ての年齢層におよびます。その特徴は脊髄および脳幹下部における運動ニューロンの喪失で、進行性の筋委縮と衰弱に至ります2。SMAはSMN1遺伝子の損傷または喪失によるサバイバル運動ニューロン(SMN)タンパク質の産生不足により発症し、その疾患重症度は広範に及びます2。SMAの患者さんの中には全く座ることのできない方、座ることはできても歩けない方、歩けるけれども時間とともにその能力を喪失する方がいます3。治療が行われない場合、最も重症度の高いSMAの患児は通常満2歳になる前に死亡します2
約1万人に1人が出生時にSMAと診断されますが4-7、SMAは遺伝的要因による乳幼児の死亡原因で最も多いものの1つで8、10代や成人の患者さんに様々な障害をもたらします3

アイオニス・ファーマシューティカルズ社について
アイオニス社は、30年以上にわたりRNAを標的とした医薬品のリーダーであり、その新規のアンチセンス技術によって新たな市場を開拓し、標準治療を変革してきました。アイオニス社は現在3つの上市された医薬品を有するとともに、業界屈指の神経学および心代謝領域のフランチャイズを特長とする第一級の開発後期段階のパイプラインを有しています。当社の科学的イノベーションは、患者さんが私たちを頼りにしておられるという認識に始まり、常にそれとともに歩み、その意識はバイオテクノロジー企業として大きな成功を収めるという私たちのビジョンに力を与えてくれます。
アイオニス社に関する詳細な情報は、www.ionispharma.com およびSNS媒体Twitterをご覧ください。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業であり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化いたしました。また、多発性硬化症および神経免疫疾患、アルツハイマー病および認知症、神経筋障害、運動障害、眼疾患、免疫疾患、神経認知障害、急性神経疾患および疼痛といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。
2020年、バイオジェンは、気候、健康、公平さが深く相互に関連する課題に対して、20年間に2億5000万ドルを投資する大規模な取組みを開始しました。Healthy Climate, Healthy Lives ™は、ビジネス全体で化石燃料の使用をゼロにし、著名な研究機関とのコラボレーションを構築して科学研究を進展させ、人類の健康を改善し、発展途上のコミュニティをサポートすることを目的としています。
バイオジェンは生物製剤の高い技術力を活かし、高品質のバイオシミラーの製品化にも注力しています。バイオジェンに関する情報については、www.biogen.com およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。

1) Core Data sheet, Version 9, January 2019. SPINRAZA. Biogen Inc, Cambridge, MA..
2) National Institute of Neurological Disorders and Stroke, NIH. Spinal Muscular Atrophy Fact Sheet. Available at https://www.ninds.nih.gov/Disorders/Patient-Caregiver-Education/Fact-Sheets/Spinal-Muscular-Atrophy-Fact-Sheet. Accessed: December 2021.
3) Wadman RI, Wijngaarde CA, Stam M, et al. Muscle strength and motor function throughout life in a cross-sectional cohort of 180 patients with spinal muscular atrophy types 1c–4. Eur J Neurol. 2018;25(3):512-518.
4) Arkblad E, Tulinius M, Kroksmark AK, Henricsson M, Darin N. A population-based study of genotypic and phenotypic variability in children with spinal muscular atrophy. Acta Paediatr. 2009 May;98(5):865-72. doi: 10.1111/j.1651-2227.2008.01201.x. Epub 2009 Jan 20.
5) Jedrzejowska M, Milewski M, Zimowski J, Zagozdzon P, Kostera-Pruszczyk A, Borkowska J, Sielska D, Jurek M, Hausmanowa-Petrusewicz I. Incidence of spinal muscular atrophy in Poland--more frequent than predicted? Neuroepidemiology. 2010;34(3):152-7. doi: 10.1159/000275492. Epub 2010 Jan 15.
6) Prior TW, Snyder PJ, Rink BD, Pearl DK, Pyatt RE, Mihal DC, Conlan T, Schmalz B, Montgomery L, Ziegler K, Noonan C, Hashimoto S, Garner S. Newborn and carrier screening for spinal muscular atrophy. Am J Med Genet A. 2010 Jul;152A(7):1608-16. doi: 10.1002/ajmg.a.33474.
7) Sugarman EA, Nagan N, Zhu H, Akmaev VR, Zhou Z, Rohlfs EM, Flynn K, Hendrickson BC, Scholl T, Sirko-Osadsa DA, Allitto BA. Pan-ethnic carrier screening and prenatal diagnosis for spinal muscular atrophy: clinical laboratory analysis of >72,400 specimens. Eur J Hum Genet. 2012 Jan;20(1):27-32. doi: 10.1038/ejhg.2011.134. Epub 2011 Aug 3.
8) Cure SMA. About SMA. Available at https://www.curesma.org/about-sma/. Accessed: December 2021.

Biogen-149891

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