本資料は、米バイオジェン社が 2022年11月30日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

11名の先端医療機関の専門家および8名のエーザイ研究者*による抗アミロイドβプロトフィブリル抗体
「レカネマブ」の早期アルツハイマー病に対する臨床第Ⅲ相Clarity AD検証試験結果の論文が the New England Journal of Medicineに掲載

    エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq: BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:Christopher A. Viehbacher、以下 バイオジェン)は、このたび、抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体レカネマブ(開発品コード:BAN2401)について、脳内アミロイド病理が確認されたアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)および軽度AD(これらを総称して早期ADと定義)を対象とした大規模なグローバル臨床第Ⅲ相Clarity AD検証試験の結果が世界的に最も権威のある医学雑誌の一つである査読学術専門誌the New England Journal of Medicineに掲載されたことをお知らせします。論文の詳細についてはこちらをご覧ください。

    今回のClarity AD試験結果の迅速な論文化は、エーザイのヒューマンヘルスケア理念に基づく、信頼性、透明性に対する強いコミットメントの証です。引き続き、エーザイとバイオジェンは、レカネマブに関するデータと情報の開示に努め、本剤が承認された際には、必要とする当事者様、ご家族に一刻も早く本剤をお届けできるよう全力を尽くしてまいります。

    レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

以上

*詳細は参考資料を参照ください

参考資料

1.The New England Journal of Medicineに掲載されたレカネマブの論文
について

Christopher H. van Dyck1), Chad J. Swanson2), Paul Aisen3), Randall J. Bateman4), Christopher Chen5), Michelle Gee6), Michio Kanekiyo2), David Li2), Larisa Reyderman2), Sharon Cohen7), Lutz Froelich8), Sadao Katayama9), Marwan Sabbagh11), Bruno Vellas12), David Watson13), Shobha Dhadda2), Michael Irizarry2), Lynn D. Kramer2), and Takeshi Iwatsubo10). Trial of Lecanemab in Early Alzheimer’s Disease. N Engl J Med 2022.

The authors’ affiliations are as follows(著者の所属): 1)The Alzheimer’s Disease Research Unit, Yale School of Medicine, New Haven, CT; 2)Eisai, Nutley, NJ; 3)The Alzheimer’s Therapeutic Research Institute, University of Southern California, San Diego; 4)Washington University School of Medicine in St. Louis, St. Louis; 5)The Memory, Aging, and Cognition Center, Department of Pharmacology, Yong Loo Lin School of Medicine, National University of Singapore, Singapore; 6)Eisai, Hatfield, United Kingdom; 7)Toronto Memory Program, Toronto; 8)Medical Faculty Mannheim, University of Heidelberg, Central Institute of Mental Health, Mannheim, Germany; 9)Katayama Medical Clinic, Okayama, Japan; 10)the Department of Neuropathology, Graduate School of Medicine, University of Tokyo, and the National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan; 11)Barrow Neurological Institute, Phoenix, AZ; 12)Toulouse Gerontopole University Hospital, Université Paul Sabatier, INSERM Unité 1295, Toulouse, France; and 13)Alzheimer’s Research and Treatment Center, Wellington, FL.

2.レカネマブについて
       レカネマブは、BioArctic AB(本社:スウェーデン、以下 バイオアークティック)とエーザイの共同研究から得られた、可溶性のアミロイドβ(Aβ)凝集体(プロトフィブリル)に対するヒト化モノクローナル抗体です。レカネマブは、アルツハイマー病(AD)を惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有するAβプロトフィブリルに選択的に結合して無毒化し、脳内からこれを除去することでADの病態進行を抑制する疾患修飾作用が示唆されています。現在、レカネマブは抗Aβ抗体で唯一漸増投与が不要な早期AD治療薬として開発中です。
       2022年7月、米国において迅速承認制度に基づくレカネマブの生物製剤ライセンス申請(Biologics License Application: BLA)が米国食品医薬品局(FDA)に受理され、現在審査中です。本迅速承認申請は優先審査(Priority Review)の指定を受け、PDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)が2023年1月6日に定められました。FDAは、Clarity AD試験結果をレカネマブの臨床的有用性の検証試験として評価することに合意しています。迅速承認制度では本検証試験以外の全てのデータが審査され、フル承認に向けた申請においては主に検証試験が審査対象となります。また、日本においても、2022年3月より、医薬品事前評価相談制度を活用し、本検証試験以外の申請データを医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出しています。エーザイは、Clarity AD試験の結果に基づいて、2022年度中の米国におけるフル承認申請、ならびに日本、欧州における販売承認申請をめざし、各国当局と協議を行っています。
       2020年7月から、臨床症状は正常で、ADのより早期ステージにあたる脳内Aβ蓄積が境界域レベルおよび陽性レベルのプレクリニカルADを対象とした臨床第Ⅲ相試験(AHEAD 3-45試験)を米国のADおよび関連する認知症の学術的臨床試験のための基盤を提供するAlzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)とのパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)で行っています。ACTCは、National Institutes of Health、National Institute on Agingによる資金提供を受けています。また、2022年1月から、セントルイス・ワシントン大学医学部(米国ミズーリ州セントルイス)が主導する優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(Dominantly Inherited Alzheimer Network Trials Unit、以下 DIAN-TU)が実施する優性遺伝アルツハイマー病(DIAD)に対する臨床試験(Tau NexGen試験)が進行中です。本試験において、レカネマブは抗Aβ療法による基礎療法として選定されました。さらに、レカネマブの皮下注射製剤の臨床第Ⅰ相試験が進行中です。

3.エーザイとバイオジェンによるAD領域の提携について
       エーザイとバイオジェンは、AD治療薬の共同開発・共同販売に関する提携を2014年から行っています。レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

4.エーザイとバイオアークティックによるAD領域の提携について
       2005年以来、エーザイとバイオアークティックはAD治療薬の開発と商業化に関して長期的な協力関係を築いてきました。エーザイは、レカネマブについて、2007年12月にバイオアークティックとのライセンス契約により、全世界におけるADを対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を取得しています。2015年5月にレカネマブのバックアップ抗体の開発・商業化契約を締結しました。

5.エーザイ株式会社について
       エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
       また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。
       エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。Twitterアカウント@Eisai_SDGsでも情報公開しています。

6.バイオジェン・インクについて
       神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業のひとつです。バイオジェンは多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化し、アルツハイマー病の病理に作用する最初で唯一の治療薬を提供しています。また、生物製剤の高い技術力を活かしてバイオシミラーの製品化を行い、業界内で最も多様な神経科学領域のパイプラインに注力し、進展させており、アンメットニーズが高い疾患領域の患者さんの治療水準に変化をもたらしています。
       2020年、バイオジェンは、気候、健康、公平さが深く相互に関連する課題に対して、20年間に2億5000万ドルを投資する大規模な取組みを開始しました。Healthy Climate, Healthy Lives ™は、ビジネス全体で化石燃料の使用をゼロにし、著名な研究機関とのコラボレーションを構築して科学研究を進展させ、人類の健康を改善し、発展途上のコミュニティをサポートすることを目的としています。
       バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。

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