本資料は、米バイオジェン社が 2024年1月31日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

バイオジェン、アルツハイマー病領域のリソース配分の変更

  • ADUHELM®(一般名:アデュカヌマブ)に対するリソースをLEQEMBI®(一般名:レカネマブ)と新規作用機序の薬剤開発を進展させるために優先的に再配分
  • バイオジェンは患者さんのニーズにお応えできるアルツハイマー病のフランチャイズを構築することに引き続きコミット

米マサチューセッツ州ケンブリッジ、2024年1月31日 – バイオジェン(NASDAQ略称BIIB) は1月31日、中長期的に成長をけん引することが期待される戦略的領域であるアルツハイマー病領域に対するリソースを再配分することを発表しました。バイオジェンは引き続き、米国で最初にフル承認を取得したヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ(Aβ)凝集体モノクローナル抗体であるレケンビ®(一般名:レカネマブ)、ならびに新規作用機序を有する治療薬候補であるASOでタウを標的とした「BIIB080」、経口のタウ凝集を阻害する低分子薬の「BIIB113」の開発を加速してまいります。一方で、バイオジェンはADUHELM® 静注100mg/mL(一般名:アデュカヌマブ)の開発ならびに販売を中止し、ENVISION試験を終了します。本試験の中止は、安全性や有効性に関連するものではありません。ADUHELMのプログラムの中止に伴って生じたリソースは、バイオジェン社のADフランチャイズに再投資されます。

バイオジェンのCEOであるクリストファー A. ヴィ―バッハ―は次のように述べています。「アルツハイマー病領域におけるパイオニアとして、バイオジェンはリソース配分の優先順位を再考し、本疾患に対して複数の病理や患者さんのニーズに対応できるフランチャイズを構築しています。私たちはエーザイ社とともに、レケンビの各国での上市を進めていく予定ですし、同時に私たちのパイプラインにある他の製品候補の開発によりイノベーションを強化していく予定です。新薬の開発において、ひとつのブレイクスルーは次なる薬剤の開発を誘発する基盤ともなります。ADUHELMはその画期的な最初の一歩であり、新たな薬効群の道を拓き、この領域への投資を再活性化した薬剤でした」。

バイオジェンは自社のポートフォリオ優先順位付けへの注力の一環として、ADUHELMへの財務的な外部提携の模索も含めた研究開発に関する戦略的検討を2023年1月より行っておりました。本プロセスにおいて、ADUHELMの市販後のENVISION検証試験に要する時間と投資、ならびにADUHELMがFDAからフル承認を受けられる時までに起こりうる本疾患領域における状況の進展を検討しました。最大限の努力にもかかわらず、戦略的パートナー候補の特定や外部資金調達がかないませんでした。

バイオジェンは本プログラムの終了に伴う費用として、2023年第4四半期に約6,000万ドルの特別損失を計上しました。バイオジェンはNeurimmune社から受けていたアデュカヌマブのライセンス契約を終了しました。

バイオジェンの開発部門の責任者であるプリヤ・シンハル, M.D., M.P.Hは次のように述べています。
「私たちはADUHELMの開発を通じて大きな意義ある知見を得ましたし、この学びをアルツハイマー病研究のパイオニアとして継続していく研究に最大限活用していきたいと考えています。ADUHELMの開発にご協力いただいた、治験医師、医療関係者、さまざまな団体、患者さんやご家族に心より感謝を申し上げます。またNeurimmune社にも長きにわたって科学的な貢献をいただいたことに感謝いたします」。

ADUHELMは2021年6月に米国FDA(医薬食品局)より迅速承認を受けました。ADUHELMの迅速承認の条件として第IV相市販後検証試験であるENVISION試験を実施しておりました。

「レケンビ」について、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

BIIB080はIONIS(アイオニス)社から導入しています。

バイオジェン社について
1978年に設立されたバイオジェンは、多発性硬化症の広範なポートフォリオを有し、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化し、アルツハイマー病の病理に作用する二つの治療薬を共同開発し、また遺伝性のALSに対する最初の治療薬、産後うつ病に対する最初の経口治療薬、そしてフリードライヒ運動失調症に対する最初の治療薬を製品化するなど、数多くの革新的なイノベーションを生み出したグローバル・バイオテクノロジー企業です。バイオジェンは神経、神経精神、特定の免疫、希少疾患といった領域において画期的な治療となりうるパイプラインを進展させ、サイエンスを通じて人々に貢献するという理念を厳格に追求し、人々がより健康的に、持続可能で平等に生きていける世界となるよう取り組んでいます。

       バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/およびSNS媒体XLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

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