- 脳内へのタウ蛋白蓄積を測定する簡易で低侵襲の血液バイオマーカー開発が本提携の目的
- アルツハイマー病患者の脳内へのタウ蛋白蓄積に対する次世代治療薬を用いる場合に患者層別化や治療効果のモニタリングに活用可能なバイオマーカーを開発
富士レビオ・ホールディングス株式会社(代表取締役社長:石川 剛生、本社:東京都港区)傘下のFujirebio Diagnostics, Inc. (CEO:Monte Wiltse、所在地:米国ペンシルバニア州マルバーン、以下「Fujirebio Diagnostics」)、 Biogen Inc. (CEO:Christopher A. Viehbacher、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、以下「バイオジェン 」)、Beckman Coulter, Inc.(代表取締役社長:Kevin O’Reilly、本社:米国カリフォルニア州ブレア、以下「Beckman Coulter」)は、アルツハイマー病患者の脳内へのリン酸化タウ蛋白質の蓄積(タウ病理)に対し、タウ蛋白を測定する血液バイオマーカーを活用した検査試薬の開発および実用化に向けて提携する旨の契約を締結しましたのでお知らせします。タウ蛋白の蓄積を測定できる血液バイオマーカーの開発により、アルツハイマー病の根本的な病理学的プロセスに関する重要な知見が得られるとともに、タウ病理に対する次世代治療薬の開発促進につながる可能性があります。
本提携を通じ、3社は、新たな血液バイオマーカーの同定およびアルツハイマー病患者のタウ蛋白を測定する既知の血液バイオマーカーの開発促進に取り組みます。また、アルツハイマー病の臨床試験において患者層別化や治療効果のモニタリングを可能にする新たな脳内タウ蛋白測定用検査試薬の開発をめざします。本提携により、臨床試験のみならず、実診療においてタウ病理に対する治療薬を用いる場合に活用できる血液用検査試薬が開発できる可能性があります。
バイオジェンの研究責任者であるJane Grogan博士は、「タウを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドなど当社が開発中の治療薬を含め、次世代のアルツハイマー病治療薬については、タウ病理に関し、患者さんの層別化とモニタリングがますます必要となってきています。本提携を通じ、バイオマーカーの開発および活用に関する当社の専門性とパートナー2社の診断薬に対する専門性を組み合わせ、タウ蛋白の蓄積レベルを測定できる血液用検査試薬の開発を加速させてまいります」と述べています。
Beckman Coulter DiagnosticsのChemistry and ImmunoassayのSenior Vice President 兼 General Manager であるKathleen Orlandは、「本提携において、最先端のバイオマーカーの開発力と、タウ病理に対する革新的な治療薬の開発力が結びつくことで、めざす検査試薬の開発が加速します。本提携により、神経疾患関連領域のリーディングカンパニーと協力し、グローバルに広く設置されている当社の全自動測定装置を通じて世界中の認知症患者さんに血液用アルツハイマー病診断薬をお届けするという当社のコミットメントを果たしてまいります」と述べています。
Fujirebio Diagnostics CEOのMonte Wiltseは、「タウ病理に対する血液バイオマーカーは、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患に対する疾患修飾薬の開発を促進する可能性があります。本提携により神経疾患関連領域における革新的な診断薬の開発をさらに加速し、世界中のCDMOパートナーを通じて可能な限り早く研究者や医療関係者にお届けすることで、血液バイオマーカーに対するアンメットニーズを満たしてまいります」と述べています。
本提携において、バイオジェンは、タウ病理に対するバイオマーカーの優先順位付けのためにアルツハイマー病の臨床試験データとバイオマーカー研究に関する専門性を提供します。富士レビオグループとBeckman Coulterは、検査試薬の開発・製造・実用化を担います。
<バイオジェンについて>
1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。
バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体X, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。
<Beckman Coulterについて><
弊社は米国に本社を置き、世界各国でビジネスを展開するグローバルカンパニーです。臨床検査分野、ライフサイエンス分野という2つの分野で事業を構成しており、世界をより健康な場所にするために11,000⼈を超える社員が日々業務に取り組み、幅広い製品・サービス・ソリューションをご提供しています。
臨床検査分野の製品は、血液などから必要な情報を得ることで患者を診断、経過観察するために、世界中の病院、医療関連施設の臨床検査技師の方々に利用していただいています。
ライフサイエンス分野の製品は、疾病や新しい治療方法の研究、複雑な生物学の問題を検討するために、バイオ関連企業、大学、専門学校などの研究者の方々に採用されており、また、粒子計測製品は製造業の皆様にも使われています。
<富士レビオグループについて>
富士レビオグループは、H.U.グループの一員であり、臨床検査薬業界のリーディングカンパニーとして価値あるテクノロジーやバイオマーカー製品を提供する研究開発型企業です。ヘルスケア市場に新たな価値を創生し人々の健康と医療の未来に貢献していくことを使命とし、富士レビオ・ホールディングス株式会社の傘下に、日本・米国・欧州を拠点としたグローバル体制を整え、お客様に高品質な製品をお届けしています。
私たちは、業界をリードする大手グローバル IVD(In Vitro Diagnostics:臨床検査薬)メーカー様と提携し、保有する高い技術と最先端のバイオマーカーに関する原料等を活用することにより、様々なプラットフォーム上における検査ソリューションの開発から製造、供給を行っています。詳細については、https://www.fujirebio.com/をご覧ください。
以上