本資料は、米バイオジェン社が 2025年1月31日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

EUにおけるレカネマブの承認審査状況について

    エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)とバイオジェン・インク(Nasdaq:BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:クリストファー A. ヴィ―バッハ―、以下 バイオジェン)は、欧州(EU)における抗Aβモノクローナル抗体レカネマブ(一般名、製品名「レケンビ®」)の承認審査状況について、以下のとおりお知らせします。

    レカネマブは、2024年11月、欧州医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use: CHMP)より承認勧告を受領しています1。その後の欧州委員会(European Commission: EC)による意思決定プロセスの一環として、ECは、CHMPに対し、承認勧告後に入手可能となったレカネマブの安全性に関する情報に基づき承認勧告のアップデートが必要かどうか、ならびに承認勧告のリスク最小化策に関する記載が明確かどうかの2点について確認するように求めています。これらは、2月に開催されるCHMPミーティングにて検討される予定です。

    レカネマブの安全性プロファイルは、米国、日本等における発売後の実臨床において、承認されている添付文書の内容と一貫しており、新たな安全性の兆候は認められていません。我々は、今回のECから要請された検討事項は既存の情報で十分かつ明確に対処できるものであり、CHMPにおいて適切に評価されるものと考えております。EUにおける承認取得に向けて引き続き当局と連携してまいります。

    エーザイとバイオジェンは、EU諸国の早期AD当事者様に一日も早くレカネマブをお届けできるよう、引き続き全力を尽くしてまいります。

    エーザイは、本剤の開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

以上

参考資料

1. レカネマブ(一般名、ブランド名「レケンビ」)について
    レカネマブは、BioArctic AB(本社:スウェーデン、以下 バイオアークティック)とエーザイの共同研究から得られた、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。

    レカネマブは、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害または軽度認知症に係る適応で、米国、日本、中国、韓国、香港、イスラエル、アラブ首長国連邦、英国、メキシコ、マカオで承認を取得しており、EUを含む17の国で承認申請を行っています。また、2025年1月に、国食品医薬品局(FDA)より、4 週に1回投与の静注(IV)維持投与に関する生物製剤一部変更申請(sBLA)が承認されました。利便性向上をめざし開発を進めている皮下注射(SC)製剤について、維持投与に関する生物製剤承認申請を米国において行い、2025年1月、受理されました。

    2020年7月から、臨床症状は正常で、ADのより早期ステージにあたる脳内Aβ蓄積が境界域レベルおよび陽性レベルのプレクリニカルADを対象とした臨床第Ⅲ相試験(AHEAD 3-45試験)を米国のADおよび関連する認知症の学術的臨床試験のための基盤を提供するAlzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)とのパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)で行っています。ACTCは、National Institutes of Health傘下のNational Institute on Agingによる資金提供を受けています。また、2022年1月から、セントルイス・ワシントン大学医学部(米国ミズーリ州セントルイス)が主導する優性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(Dominantly Inherited Alzheimer Network Trials Unit、以下 DIAN-TU)が実施する優性遺伝アルツハイマー病(DIAD)に対する臨床試験(Tau NexGen試験)が進行中です。本試験において、レカネマブは抗Aβ療法による基礎療法として選定されました。

2. エーザイとバイオジェンによるAD領域の提携について
    エーザイとバイオジェンは、AD治療剤の共同開発・共同販売に関する提携を2014年から行っています。レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

3. エーザイとバイオアークティックによるAD領域の提携について
    2005年以来、エーザイとバイオアークティックはAD治療剤の開発と商業化に関して長期的な協力関係を築いてきました。エーザイは、レカネマブについて、2007年12月にバイオアークティックとのライセンス契約により、全世界におけるADを対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を取得しています。2015年5月にレカネマブのバックアップ抗体の開発・商業化契約を締結しました。

4. エーザイ株式会社について
    エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
    また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。
    エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。SNSアカウントXLinkedInFacebookでも情報公開しています。

5. バイオジェン・インクについて
    1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。
    私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。
    バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体XLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

参考文献
  1. Committee for Medicinal Products for Human Use. 2024. Leqembi (Lecanemab). Overview. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/leqembi#overview Last accessed: January 2025
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