本資料は、米バイオジェン社が 2025年4月2日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

バイオジェンのアルツハイマー病治療薬として開発中のタウを標的とするBIIB080がFDAのファストトラック指定を受ける

マサチューセッツ州ケンブリッジ: バイオジェン社(Nasdaq:BIIB)は、2025年4月2日、米国食品医薬品局(FDA)が、アルツハイマー病の治療薬として治験中のタウを標的としたBIIB080(アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO))であるBIIB080を、ファストトラック指定したことを発表しました。ファストトラック指定は、重篤な疾患に対してアンメットメディカルニーズを満たす可能性のある治験薬の開発を促進し、審査を迅速化することを目的としています。

バイオジェンの開発部門長であるプリヤ・シンハル M.D., Ph.Dは次のように述べています。「BIIB080に対するFDAのファストトラック指定は、アルツハイマー病におけるタウ病変を標的とした革新的治療薬開発の緊急性を浮き彫りにしており、私たちはこの指定を心強く感じています。アルツハイマー病は非常に複雑かつ死に至る疾患であり、その多様な病態に対処するためには複数の治療アプローチが必要である、と私たちは考えています。治験中のアンチセンス治療薬候補であるBIIB080は、タウを標的とするこれまでにないアプローチであり、患者さんにとって新たな希望となる可能性を秘めています。私たちは、アルツハイマー病患者さんとそのご家族のために、本開発を急ぎ進めています」。

BIIB080は、アルツハイマー病を対象として臨床開発を開始した最初のタウを標的としたASOであり、現在、早期段階の患者さんを対象とした国際共同第II相CELIA試験を実施中。これまでに発表されたとおり、第Ib相試験での結果から、脳脊髄液(CSF)中の可溶性タウ蛋白質の用量依存的な減少、陽電子放出断層撮影(PET)で測定した脳内の凝集タウ病変の減少、および探索的な臨床上の結果に良好な傾向が示され、臨床的ベネフィットの可能性が支持されました。高用量群では、認知および生活機能に関する複数の探索的評価項目で良好な傾向が示されました。第II相CELIA試験はすでに患者登録が完了しており、2026年にデータのリードアウトの予定です。

BIIB080について
BIIB080は、微小管関連タンパク質タウ(MAPT)mRNAを標的とし、タウタンパク質の産生を抑制するようデザインされた治験中のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)治療です。脳内のタウの異常な蓄積はアルツハイマー病の特徴であり、神経変性及び認知機能低下と関連しています。BIIB080は現在、早期アルツハイマー病患者を対象とした第II相臨床試験(NCT05399888)を実施中です。

2019年12月、バイオジェンはアイオニス・ファーマシューティカルズ社に対してライセンスのオプション権を行使し、BIIB080(tau ASO)の開発・商業化に対する全世界での独占的、ロイヤリティ支払型ライセンスを取得しました。

バイオジェンについて
1978年に設立されたバイオジェンは、多発性硬化症の広範なポートフォリオを有し、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化し、アルツハイマー病の病理に作用する二つの治療薬を共同開発するなど、数多くの革新的なイノベーションを生み出したグローバル・バイオテクノロジー企業です。バイオジェンは神経、神経精神、特定の免疫、希少疾患といった領域において画期的な治療となりうるパイプラインを進展させ、サイエンスを通じて人々に貢献するという理念を厳格に追求し、人々がより健康的に、持続可能で平等に生きていける世界となるよう取り組んでいます。バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体X, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。

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