本資料は、米バイオジェン社が 2025年12月22日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

SOD1-ALSにおけるクアルソディの第III相VALOR試験および非盲検延長試験の長期結果がJournal of the American Medical Association(JAMA)Neurologyに掲載

 

  • JAMA Neurologyに発表されたバイオジェンのクアルソディの長期データが、SOD1-ALS試験における機能、筋力および生存率に対する効果を示す
  • SOD1-ALSの自然経過では報告されていないが、クアルソディの投与を受けた患者さんの一部では、失われた機能と筋力が3年以上にわたって回復を示す
  • バイオジェンは、発症前のSOD1-ALSを対象とした進行中のクアルソディ ATLAS試験やALSにおける創薬パイプラインなど、さらなるALS研究を推進中

マサチューセッツ州ケンブリッジ– 2025年12月22日-バイオジェン Inc.(Nasdaq:BIIB) は、The Journal of the American Medical Association(JAMA)Neurologyが、スーパーオキシドジスムターゼ1 (SOD1) 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬として、クアルソディ ®(一般名:トフェルセン)を評価する完了した第III相VALOR試験および非盲検延長(OLE)試験の最終結果を掲載したことを発表しました。これらの結果から、クアルソディによる早期治療開始は、臨床機能、呼吸および筋力の測定値の低下を遅延させるとともに、死亡または永続的呼吸器装着のリスクを低下させることが数値的に示されました。神経変性のマーカーであるニューロフィラメントの継続的な減少により、治療効果の妥当性がさらに裏付けされ、SOD1-ALSの根本とされる生物学的特性に対するクアルソディの影響が示されました。

バイオジェンの神経筋疾患開発部門長であるStephanie Fradette, Pharm.D.は次のように述べています。「VALOR試験およびOLE試験の最終データは、適切な標的と適切な治療アプローチにより、ALSの疾患の経過に意義ある影響を与え、この深刻な疾患とともに生きる人々の予後を改善する可能性をさらに強調しています。これらデータに裏付けられて、治療によるニューロフィラメントの減少は、将来の研究を加速させるための早期意思決定を推進する評価項目として現在使用されています。長年にわたりクアルソディの開発に貢献してくださった治験参加者とその介護者の方々、治験責任医師、治験実施医療機関のスタッフの皆さまのご協力なくしては成しえなかったことであり、この進捗を共有できることをうれしく思います」。

クアルソディ 100 mg/15mLは、スーパーオキシドジスムターゼ1 (SOD1) 遺伝子に変異を有する成人の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬として承認されています。米国では、クアルソディを投与した患者で認められた血漿中ニューロフィラメント軽鎖(NfL)の減少に基づき、クアルソディが迅速承認を取得しました。本適応症に対する承認が継続されるためには検証試験により臨床的ベネフィットを証明することが必要です。

クアルソディは、米国では迅速承認、その他の国では条件付きまたは通常承認を含め、世界44ヵ国で承認を取得しています。

VALOR試験とOLE試験について
VALOR試験は、SOD1遺伝子変異を伴う成人ALS患者さんを対象に、トフェルセン100 mgの効果を評価する6ヵ月間の第III相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験でした。計108例がVALOR試験に無作為化されました(トフェルセン100 mg群72例、プラセボ群36例)。このうち95名がOLE試験に登録されました。オープンラベル継続投与期間完了時点での追跡調査期間の中央値は4.9年(範囲:3.6〜5.4年)でした。

VALOR試験の治験責任医師でありセントルイスのワシントン大学医学部ALSセンター長であるTimothy Miller、M.D.、Ph.D.は次のように述べています。「ALSの患者さんにとって、不可逆的な筋力低下はこの疾患の特徴的な症状です。クアルソディの臨床試験では、早期治療開始群の被験者の27%で約3年間の試験期間に筋力の改善が認められました。ALSの自然経過ではこのようなことは起こりません。これまで、SOD1-ALSの患者さんとは、病気の進行をいかに最善に管理するかを話してきましたが、現在では、いかに最大限の改善を獲得するかということも含まれるようになりました」。

VALOR試験およびOLE試験の終了時に最も多く報告された有害事象(AE)は、頭痛、処置による疼痛、転倒、背部痛および四肢痛でした。重篤な神経学的AEである脊髄炎または神経根炎、乳頭浮腫および/または頭蓋内圧上昇、ならびに化学性または無菌性髄膜炎が9名(8.7%)報告されました。これらの事象は標準治療により管理でき、回復しました。脊髄炎1件および化学性髄膜炎1件が投与中止に至りました。安全性に関する所見はこれまでに報告された結果と一貫性を示しています。

VALOR試験の共同治験責任医師であり、ノースイーストALSコンソーシアムの共同設立者兼、ALSのHealey&AMGセンターのディレクター、ブリガム・ニューロサイエンス研究所のエグゼクティブディレクター、ハーバード・メディカルスクールの神経学Julieanne DornのMerit Cudkowicz教授は次のように述べています。「これらの最終結果は、クアルソディの早期投与によりで可能になることを示しています。進行が速い患者さんでは、わずか6ヵ月早くクアルソディを開始することで、無イベント生存期間が3.4年延長しました。この結果からも、疾患の発症を遅らせる可能性がある、発症前患者さんを対象としたATLAS試験から得られる結果について、私たち全員が関心を持っています」。

クアルソディ® (トフェルセン)について
クアルソディはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)で、SOD1タンパク質の生成を抑制するためにSOD1 mRNAに結合するように設計されています。米国食品医薬品局はスーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子変異を有する成人の筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬としてのクアルソディについて、迅速承認の対象に指定しました。この適応症はクアルソディの治療を受けた被験者群で血漿ニューロフィラメント軽鎖(NfL)の減少が認められたことに基づいて、迅速承認制度の下で承認されました。本適応症に対する承認が継続されるためには検証試験により臨床的ベネフィットを証明することが必要です。2

クアルソディは、負荷投与として14日間隔で3回髄腔内投与し、その後は維持投与として28日ごとに1回投与します1。 SOD1-ALSの患者さんの中には、SOD1遺伝子の変異により、体内に有害なミスフォールド型のSOD1タンパク質が生成されます。この有毒なタンパク質は運動ニューロンの変性を引き起こし、進行性の筋力低下、機能喪失を引き起こし、最終的には死に至ります2

バイオジェンは開発提携およびライセンス契約によりクアルソディをアイオニス・ファーマシューティカルズ社から導入しました。クアルソディはアイオニス社により創薬されました。

クアルソディについては現在進行中の第III相VALOR試験のオープンラベル延長試験(OLE)に加え、臨床第III相無作為化プラセボ対照ATLAS試験も進行中で、これはSOD1遺伝子変異を有する発症前の方にクアルソディの投与を開始することで臨床的症状の発現を遅らせることができるかどうか、そして疾患活動性(血漿NfLの上昇)のバイオマーカーとしてのエビデンスを評価するための試験です。ATLAS(NCT04856982)に関する詳細は clinicaltrials.gov に掲載されています。

筋萎縮性側索硬化症とSOD1-ALSについて
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、随意筋の運動をコントロールする脳と脊髄における運動ニューロンの喪失をもたらす希少かつ進行性で死に至る神経変性疾患です。ALSは患者さんに筋力の低下と委縮をもたらし、徐々に運動、発話、摂食の能力を喪失させ、最終的には呼吸することもできなくなり、自立を奪います。ALS患者さんの平均余命は症状の発現後3年から5年です。3

複数の遺伝子がALSの発症に関わっています。遺伝子検査により、ALSの家族歴がなくとも遺伝子変異に関係するタイプのALSであるかどうかを判断することができます。SOD1遺伝子変異は、全ALSの推計罹患者数の約2%に関わっており、米国では患者数は約330人と推計されています(SOD1-ALS)4。ALS患者のうち15%以上の方々が遺伝子変異によるものと考えられていますが2、その中にはALSの家族歴が知られていない場合があります4

バイオジェンのALSへの継続したコミットメント
バイオジェンは10年以上にわたりあらゆる形のALSへの理解を深めるための研究の推進に邁進してきました。当社は2013年に開発後期段階のALS治療薬候補の開発を断念するという難しい決断を迫られたにもかかわらず、この分野への投資と研究の開拓を継続してきました。バイオジェンは、必要とする患者さんに治療薬をお届けする可能性を高めることを目標に、遺伝性およびその他のALSを対象とする当社の幅広い治療薬候補のポートフォリオにこれまでの大切な学びを活かしてきました。これらの活かされた学びには、特定の患者集団を対象に遺伝子的に検証されたターゲットを評価すること、各々のターゲットに最も適切なモダリティを追求すること、センシティブな臨床評価項目を採用すること、等が含まれます。クアルソディに加えて、バイオジェンはより多くのALS患者さんに影響しているとされるTDP43の病理学を含めたALSを対象に開発されている治療薬候補のバイプラインを有しています。TDP43は97%のALS患者さんに発現しているとされ、本疾患の特徴的な病理とされています5

バイオジェン社について
1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。
私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。

投資家の皆さんにとって重要な情報についてはバイオジェンのウェブサイトwww.biogen.comに定期的に掲載しています。当社のSNS媒体FacebookLinkedIn, X, YouTubeもご覧ください。

参考文献
  1. QALSODY Prescribing Information, Cambridge, MA: Biogen.
  2. Akcimen F, Lopez ER, Landers JE, et al. Amyotrophic lateral sclerosis: translating genetic discoveries into therapies. Nat Rev Genet. 2023. https://doi.org/10.1038/s41576-023-00592-y Accessed: December 2025.
  3. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. Amyotrophic Lateral Sclerosis (ALS). Available at: https://www.ninds.nih.gov/health-information/disorders/amyotrophic-lateral-sclerosis-als. Accessed: December 2025.
  4. Brown CA, Lally C, Kupelian V, Flanders WD. Estimated Prevalence and Incidence of Amyotrophic Lateral Sclerosis and SOD1 and C9orf72 Genetic Variants. Neuroepidemiology. 2021;55(5):342-353. doi: 10.1159/000516752. Epub 2021 Jul 9.
  5. Scotter EL, Chen HJ, Shaw CE. TDP-43 Proteinopathy and ALS: Insights into Disease Mechanisms and Therapeutic Targets. Neurotherapeutics. 2015;12(2):352-363. doi:10.1007/s13311-015-0338-x.
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