2017年10月31日

本資料は、米バイオジェン社が 2017年10月27日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語訳として発表させていただくものです。よって必ずしも日本の状況を反映したものでないことをご了承ください。内容につきましては原本である英文が優先します。

バイオジェン/IONISのスピンラザが権威あるガリアン賞でベストバイオテクノロジー製品賞を受賞

マサチューセッツ州ケンブリッジ – 2017年10月27日 – バイオジェン(NASDAQ略号: BIIB)とIONIS(発音:アイオニス)社はこのたび、スピンラザ®(一般名:ヌシネルセンナトリウム)について、権威ある2017年米国ガリアン賞でベストバイオテクノロジー製品を受賞しました。この賞は、人類の健康の改善に寄与した優れた科学革新の業績に対して授与されるものです。授賞式は10月26日に米国のニューヨーク市で行われました。

バイオジェンの最高経営責任者(CEO)であるミシェル・ヴォナッソスは次のように述べています。「ガリアン財団より、脊髄性筋萎縮症(SMA、以下SMA)という重篤な疾患に対する初めてで唯一の治療薬であるスピンラザについて、IONIS社とともに受賞できたことはこの上なく光栄なことです。スピンラザの確かな臨床効果は、私たち関係者にとっても非常に充実感を感じることができる成果であり、世界中のバイオジェン社員が情熱と使命をかけてこの疾患の医療ニーズに取り組んだことに感謝しています」。

スピンラザは、乳幼児および成人の患者さんにおけるSMAの治療薬として、優先審査指定のもと米国食品医薬品局(FDA)により2016年12月23日に承認されました。SMAは希少疾患であり、乳児における主要な遺伝的死因のひとつです。進行性の症状が特徴で、筋力を徐々に低下させながら、歩行、飲食、最終的には呼吸と、人間の身体的機能を徐々に奪っていく疾患です。スピンラザは、SMAの適応症で承認された治療薬です。

バイオジェンは、スピンラザを使用される患者さん・ご家族向けの情報提供サイト
https://www.pat.spinraza.jp/)、スピンラザ情報提供のために医療関係者向けに情報提供サイト(https://www.spinraza.jp)、さらには、患者さん・ご家族への疾患に関する情報提供サイトとして、TOGETHER IN SMA(脊髄性筋萎縮症[SMA]とともに)(https://www.togetherinsma.jp)も開設しています。

 

スピンラザの臨床試験プログラム進捗状況

スピンラザは、SMA治療薬として承認された最初の医薬品で、現在、米国、EU、ブラジル、日本、スイス、カナダにおいて承認されています。その他の数カ国でも申請中であり、また追加的申請を計画中の国も数カ国あります。

バイオジェンはスピンラザの全世界における開発、製造、販売について、アンチセンス治療におけるリーダーであるIONIS Pharmaceuticals社よりライセンス供与を受けています。バイオジェンとIONIS社は革新的な臨床開発プログラムを実施し、2011年に行われたスピンラザのヒトへの最初の投与から5年で、規制当局による最初の承認を実現しました。

 

ガリアン財団について

ガリアン財団は、人類の健康の改善に寄与する優れた科学革新を促進し、表彰する団体です。同財団はガリアン賞にふさわしい米国内での成果を調査・判断しています。ガリアン賞は、医学および現代薬学の父と呼ばれるガレンを称えて、1970年にフランスで創設されました。

 

SMA 1-5について

SMAは、脊髄および下位脳幹における進行性の運動ニューロンの脱落を特徴とする疾患であり、重篤で進行性の筋萎縮や筋無力を引き起こします。最も重篤なタイプのSMAの患者さんは最終的に麻痺状態となり、呼吸や嚥下など生命維持のための基本的な身体機能に支障をきたす恐れがあります。

SMN1(Survival of Motor Neuron 1)遺伝子の欠落または欠損により、SMAの患者さんは運動ニューロン維持に必要なSMNタンパク質を十分に産生することができません。SMAの重篤度はSMNタンパク質の量と相関関係があります。1型SMAの患者さんは最もきめ細やかな支持療法を必要としますが、SMNタンパク質がほとんど生成されないため、支えなしに座ることができず、呼吸器による補助なしに2年以上生存することができません。2型と3型の患者さんでは、より多くのSMNタンパク質が生成され重篤度も下がりますが、日々の生活と人生に困難を強いられます。 

 

スピンラザについて

スピンラザはSMAの治療薬としてグローバルレベルで開発が進められています。

スピンラザはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)であり、5番染色体長腕(5q)内のSMN1遺伝子変異による SMNタンパク質欠損により引き起こされるSMAの治療薬として設計されました。本剤は変異したSMN1の重複遺伝子であるSMN2のスプライシングを変えるようデザインされています。その目的は完全に機能するSMNタンパク質の産生を増やすことにあります6。ASOは標的RNAと結合して遺伝子発現を調節するようデザインされた短鎖の合成ヌクレオチドです。このテクノロジーを使うことで、スピンラザは機能的SMNタンパク質の量を増やす可能性を備えています。

スピンラザの投与は髄腔内注射によって実施する必要があります。これは、治療薬を脊髄周囲の脳脊髄液(CSF)中に直接送達するものです7。SMA患者の脊髄では、サバイバルモーターニューロン(SMN)タンパク質の発現レベルが不十分なため、運動ニューロンが変性しています8

スピンラザは好ましい有効性と安全性のプロファイルを示しました。スピンラザについて最も多く報告されている有害事象は、上気道感染、下気道感染、ならびに便秘です。重篤な有害事象としてスピンラザの治療を受けた患者において無気肺がより多く報告されました。いくつかのASOでは、投与後に急性の重症血小板減少症を含む血液凝固異常と血小板減少症が報告されており、易出血性の危険性が増す症例の可能性があります。また、いくつかのASOでは、投与後に致死的糸球体腎炎発症の可能性を含む腎毒性が観察されています。ヌシネルセンは腎臓に存在し、かつ排泄されます。 

 

バイオジェンについて

最先端の科学と医学を通じて、バイオジェンは重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、世界中の患者さんに提供しています。1978年に設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業のパイオニアであり、多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の唯一の治療薬を製品化しました。また、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった神経領域の研究においても最先端の活動を展開しています。生物製剤の高い技術力を活かし、バイオジェンは高品質のバイオシミラーの製造と製品化にも注力しています。当社に関する情報については、http://www.biogen.com およびSNS媒体Twitter, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。

1. Darras B, Markowitz J, Monani U, De Vivo D. Chapter 8 - Spinal Muscular Atrophies. In: Vivo BTD, ed. Neuromuscular Disorders of Infancy, Childhood, and Adolescence (Second Edition). San Diego: Academic Press; 2015:117-145.
2. Lefebvre S, Burglen L, Reboullet S, et al. Identification and characterization of a spinal muscular atrophy-determining gene. Cell.1995;80(1):155-165.
3. Mailman MD, Heinz JW, Papp AC, et al. Molecular analysis of spinal muscular atrophy and modification of the phenotype by SMN2. Genet Med. 2002;4(1):20-26.
4. Monani UR, Lorson CL, Parsons DW, et al. A single nucleotide difference that alters splicing patterns distinguishes the SMA gene SMN1 from the copy gene SMN2. Hum Mol Genet. 1999;8(7):1177-1183.
5. Peeters K, Chamova T, Jordanova A. Clinical and genetic diversity of SMN1-negative proximal spinal muscular atrophies. Brain.2014;137(Pt 11):2879-2896.
6. Hua Y, Sahashi K, Hung G, Rigo F, Passini MA, Bennett CF, Krainer AR. Antisense correction of SMN2 splicing in the CNS rescues necrosis in a type III SMA mouse model. Genes Dev. 2010 Aug 1; 24(15):16344-44.
7. Evers MM, Toonen LI, van Roon-Mom WM. Antisense oligonucleotides in therapy for neurodegenerative disorders. Adv Drug Deliv Rev.2015;87:90-103.
8. Lunn MR, Wang CH. Spinal muscular atrophy. Lancet. 2008;371(9630):2120-2133.

CA-JPN-0103

その他のプレスリリース

  • 2017年12月22日バイオジェンとIONISが脊髄性筋萎縮症に対する さらなる革新的治療法の共同開発を開始
  • 2017年12月21日BAN2401の早期アルツハイマー病を対象としたアダプティブ臨床第Ⅱ相試験を18カ月のエンドポイントに向け継続
  • 2017年11月07日バイオジェンが開発中のアルツハイマー病治療薬aducanumab第Ib相試験の長期継続投与(LTE)からの新データを発表
  • 2017年11月07日The New England Journal of Medicine誌が脊髄性筋萎縮症治療薬スピンラザの第III相試験結果を掲載
  • 2017年10月23日バイオジェンとエーザイが臨床第Ⅲ相試験進行中のaducanumabを含むアルツハイマー病治療剤の開発・販売に向けた提携契約を拡大