本資料は、米バイオジェン社が2022年10月17日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

バイオジェン、FDAがトフェルセンの承認申請の審査期間を3カ月延長したことを発表

  • FDAによる新たなPDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)は2023年4月25日に設定

米マサチューセッツ州ケンブリッジ、2022年10月17日(米国時間) – バイオジェン(NASDAQ略称BIIB)は、米国食品医薬品局(FDA)がトフェルセンの新薬承認申請の審査を3カ月延長したことを発表しました。トフェルセンは、スーパーオキサイドジスムターゼ1遺伝子変異を有する筋萎縮性側索硬化症(SOD1-ALS)の治療薬候補として開発中です。新たに発表されたPDUFA(Prescription Drugs User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)は2023年4月25日です。

現在進行中の審査の一環として、バイオジェンはFDAの要請を受けて情報を提出しましたが、その情報が「Major Amendment」と判断され、その審査に追加の時間を要すると判断されました。

Head of Global Safety & Regulatory Sciences and interim Head of Research & DevelopmentであるPriya Singhal, M.D., M.P.H.は次のように述べています。「私たちはFDAがトフェルセンの審査を完了するために必要とされるいかなる詳細データも提出いたします。審査が継続されている間、バイオジェンはトフェルセンの早期アクセスプログラムを継続します」。

FDAは2022年7月にトフェルセンの承認申請を優先審査(Priority Review)の指定にて受理しました。

トフェルセンについて
トフェルセンはSOD1-ALSの治療薬候補として開発中のアンチセンス医薬品です。トフェルセンはSOD1メッセンジャーリボ核酸(mRNA)に結合し、SOD1タンパクの合成を減少させます。継続中のVALOR試験のオープンラベル延長試験に加えて、トフェルセンについては臨床第III相ATLAS試験も進行中で、これはSOD1遺伝子変異を有する発症前の方にトフェルセンを投与することで臨床的症状の発現を遅らせることができるかどうか、そして疾患活動性を測定するバイオマーカーとしてのエビデンスを評価するために設計された試験です。バイオジェンは開発提携およびライセンス契約によりトフェルセンをIonis Pharmaceuticals, Inc. (アイオニス・ファーマシューティカルズ社)から導入しました。

筋委縮性側索硬化症およびSOD1-ALSについて
筋委縮性側索硬化症(ALS)は、随意筋の運動をコントロールする脳と脊髄における運動ニューロンの喪失をもたらす希少かつ進行性で死に至る神経変性疾患です。ALSの患者さんは筋力の低下と萎縮を経験し、徐々に運動、発話、摂食の能力を喪失して、最終的には呼吸もできなくなり自立性を失います。ALS患者さんの平均余命は症状の発現後3年から5年です。1
複数の遺伝子がALSに関与しています。ALSの家族歴がない症例においても、患者さんのALSが遺伝子変異によるものかどうかを遺伝子検査により判定できる場合があります。現在、ALSに対する遺伝子を標的とする治療選択肢は存在しません。SOD1遺伝子の変異は、全世界の推計16万8000人のALS患者さんの約2%を占めます (SOD1-ALS)2。SOD1-ALSの余命は患者さんによって大きく異なり、中には1年未満の患者さんもいらっしゃいます。3

バイオジェンのALSへの継続的なコミットメント
バイオジェンは、あらゆるタイプのALSをより深く理解するために、10年以上にわたってALSの研究推進に尽力しています。当社は2013年に開発後期段階のALS治療薬候補の開発中止という難しい決断を下したにもかかわらず、継続して投資を行い先駆的な研究を続けています。バイオジェンは必要とする患者さんに治療薬候補をお届けする可能性を高めることを目標に、遺伝子に関連するALSや他のタイプのALSを対象とする新薬候補のポートフォリオにこれまでの重要な学びを応用してきました。それらの学びには、特定の患者集団に対して遺伝子的に検証された標的を評価すること、各々の標的に対して最も適切なモダリティを追求すること、高感度の臨床的エンドポイントを採用すること等が含まれます。今日、バイオジェンはトフェルセンやBIIB105を含めALSを対象に開発中の新薬候補のパイプラインを有しています。

バイオジェンについて
神経科学領域のパイオニアであるバイオジェンは、最先端の医学と科学を通じて、重篤な神経学的疾患、神経変性疾患の革新的な治療法の発見および開発を行い、その成果を世界中の患者さんに提供しています。1978年にチャールズ・ワイスマン、ハインツ・シェイラー、ケネス・マレー、ノーベル賞受賞者であるウォルター・ギルバートとフィリップ・シャープにより設立されたバイオジェンは、世界で歴史のあるバイオテクノロジー企業のひとつです。バイオジェンは多発性硬化症の領域をリードする製品ポートフォリオを持ち、脊髄性筋萎縮症の最初の治療薬を製品化し、アルツハイマー病の病理に作用する最初で唯一の治療薬を提供しています。また、生物製剤の高い技術力を活かしてバイオシミラーの製品化を行い、業界内で最も多様な神経科学領域のパイプラインに注力し、進展させており、アンメットニーズが高い疾患領域の患者さんの治療水準に変化をもたらしています。

2020年、バイオジェンは、気候、健康、公平さが深く相互に関連する課題に対して、20年間に2億5000万ドルを投資する大規模な取組みを開始しました。Healthy Climate, Healthy Lives ™は、ビジネス全体で化石燃料の使用をゼロにし、著名な研究機関とのコラボレーションを構築して科学研究を進展させ、人類の健康を改善し、発展途上のコミュニティをサポートすることを目的としています。
バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体TwitterLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

参考文献
  1. Brown RH, Al-Chalabi A. Amyotrophic Lateral Sclerosis. N Engl J Med. 2017 Jul 13.
  2. Brown CA, Lally C, Kupelian V, Flanders WD. Estimated Prevalence and Incidence of Amyotrophic Lateral Sclerosis and SOD1 and C9orf72 Genetic Variants. Neuroepidemiology. 2021.
  3. Bali T, et al. Defining SOD1 ALS natural history to guide therapeutic clinical trial design. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2017 Feb
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