マサチューセッツ州ケンブリッジおよび同州ベドフォード、2025年11月17日 – バイオジェン(NASDAQ略称BIIB)および、RNA医薬によって人体の可能性を引き出し、タンパク質の発現を回復させることに取り組むバイオテクノロジー企業であるストーク・セラピューティクス・インク(Stoke Therapeutics, Inc. NASDAQ略称STOK、以下ストーク社)は、ドラベ症候群の患者の自然経過を2年間追跡した前向き研究であるBUTTERFLY試験の最終データの論文掲載を発表しました。ドラべ症候群は反復性発作と重大な認知および行動障害を特徴とする重度の発達性てんかん性脳症(DEE)です。現在、ドラべ症候群に対する承認された疾患修飾治療薬はありません。
BUTTERFLY試験は、2歳から18歳の小児および青少年を対象に2年間にわたりドラべ症候群が適応機能や神経発達にもたらす影響を評価しました。大運動発作頻度が副次的アウトカム指標として評価されました。本試験の被験者は抗けいれん薬(ASMs)を含む標準治療を受けました。2025年11月14日に米国神経学会の医学誌であるNeurology®に掲載された本研究の要旨は以下のとおりです:
- ドラベ症候群の患者は、本試験に組み入れられた時点での年齢にかかわらず約2歳の発育年齢で神経発達が停滞。これにより、標準的な発達の小児と比較した差が経年的に拡大した。
- 2年間の本試験の期間中、被験者は、同年齢の小児に期待される標準的な神経発達と比較してコミュニケーション、運動スキル、対人スキルを含め、認知や行動にわずかな変化を示した。
- BUTTERFLY試験で用いた認知及び行動の評価指標は、ドラベ症候群に関わる今後の臨床試験での使用を支持するために今回の自然経過の検討試験に組み込まれた、事前に規定された評価項目だった。具体的には、Vineland Adaptive Behavior Scales 第3版(Vineland-3)、Bayley Scales of Infant Development 第3版(BSID-III)、Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence 第4版(WPPSI-IV)が含まれた。これらの評価指標は、BUTTERFLY試験で使用されたその他のアウトカム指標と同様に、ドラベ症候群の疾患修飾治療薬候補としてzorevunersenを評価する第III相国際共同ピボタル試験EMPERORの主要評価項目および副次的評価項目と一致している。
- 大運動発作頻度は2年間で10.6%増加した(ベースラインでの頻度は平均14.3回/28日;p=0.63; n=23)。
Neurology誌に掲載された論文の主執筆者で、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の神経科学・小児科学のジョセフ・サリバン教授(Joseph Sullivan, M.D., FAES)は次のように述べています。「今回の自然経過データで、ドラベ症候群の人生を変えるような影響はてんかん発作だけにとどまらず、既存の最良の治療薬による治療にもかかわらず患者の機能や発育に重大な損失をもたらすことが確認されました。今回の結果は、ドラベ症候群の小児が成長するに伴い同年齢の神経学的に標準的な小児と比較して認知および行動の発達に大きな差が生じることを明らかにしました。今回のデータは、既存の治療薬の効果をベースラインとして特徴づけることで疾患修飾治療薬候補がドラベ症候群の経過をどのように変え得るかを理解する上でますます重要になるでしょう。この疾患の重大な影響に対する私たちの理解をより一層進めるためにBUTTERFLY試験に参加して多大な犠牲を払ってくださったご家族の皆様に深く感謝いたします」。
ドラベ症候群について
ドラベ症候群は、反復性発作と重大な認知および行動障害を特徴とする重度の発達性てんかん性脳症(DEE)です。ドラベ症候群のほとんどの症例はSCN1A遺伝子の1コピーの変異が原因であり、脳の神経細胞におけるNaV1.1タンパク質のレベルが不十分になります。90%以上の患者さんは既存の最良の抗けいれん薬による治療にもかかわらず発作が継続します。ドラベ症候群の合併症はしばしば患者さんや介護者のQOLの低下を招きます。発達障害や認知障害は、多くの場合知的障害、発育遅延、運動や平衡障害、言語および発話障害、成長障害、睡眠異常、自律神経系の失調、気分障害を含みます。一般的なてんかん患者の集団と比較して、ドラベ症候群の患者はてんかんによる予期せぬ突然死(SUDEP)のリスクがより高く、ドラベ症候群の小児および青少年の患者の最大20%がSUDEP、長引く発作、発作に関連する事故や感染症により成人に達する前に死亡します。2ドラベ症候群は世界中で発症しており、特定の地域や民族集団に偏在しているわけではありません。現在、米国 (約16,000人)および英国、欧州連合主要4か国、日本を合わせて最多で38,000人がドラベ症候群に罹患していると推計されています。3ドラベ症候群に対する承認されている疾患修飾薬はありません。
BUTTERFLY試験について
BUTTERFLY試験は、SCN1A遺伝子変異の結果としてドラべ症候群と診断された2歳から18歳の小児および青少年を対象とする、多施設共同長期前向き観察研究でした。本試験はベースラインから24か月の神経発達状況と変化を評価すべく設計されました。本試験の副次的評価項目および探索的評価項目として、てんかん発作や追加の認知評価項目、行動および全般的機能を含むその他の疾患評価項目における変化が評価されました。開発中の医薬品や他の治療法は提供されませんでした。被験者は抗てんかん薬を含む最適化された標準治療を継続して受け、最長2年間観察されました。本試験は米国内の約20施設で実施されました。
バイオジェンについて
1978年に設立されたバイオジェンは、数多くの革新的なイノベーションを生み出し、株主や私たちを取り巻くコミュニティに価値を創出するグローバル・バイオテクノロジー企業です。私たちはファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を前進させ、優れた成果を提供するために、人のバイオロジーに対する深い理解を応用していきます。バイオジェンに関する情報については、バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体X, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。
ストーク・セラピューティクスについて
ストーク・セラピューティクス(Stoke Therapeutics、NASDAQ略称STOK)は、RNA医薬品で人体が持つ潜在力を活用することで、タンパク質の発現を修復する技術に専念するバイオテクノロジー企業です。特許で保護されているストーク社のTANGO(Targeted Augmentation of Nuclear Gene Output=核遺伝子アウトプットの標的増強)アプローチにより、ストーク社はタンパク質を自然発生の濃度に選択的に回復させるアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASOs)を開発しています。ストーク社の開発中の最初の医薬品である、zorevunersenはドラベ症候群の患者において疾患修飾の可能性を示しており、現在第III相試験を通じて評価されています。ストーク社の当初の重点領域は正常なタンパク質濃度が50%程度まで喪失(ハプロ不全)することで発症する中枢神経系および眼病に関連する疾患です。他の臓器、組織、系統でも概念実証が確認されており、同社独自のアプローチの幅広い可能性が支持されています。ストーク社はマサチューセッツ州ベドフォードに本社を置き、同州ケンブリッジにもオフィスを構えています。同社についてのより詳しい情報はhttps://www.stoketherapeutics.com/ をご覧ください。
- Sullivan J, Wirrell E, Knupp K. et al. Natural history of children and adolescents with Dravet syndrome: a 24-month follow-up. Neurology. 2025;105:e214388
- Symonds, J. et al. Early childhood epilepsies: epidemiology, classification, aetiology, and socio-economic determinants. Brain. 2021;144(9):2879-2891.
- Based on Stoke Therapeutics’ preliminary estimates, which scaled annual incidence to prevalence using country-specific live birth rates over the past 85 years and adjusted for Dravet-specific mortality. The estimate is based on incidence rates published by Wu et al., Pediatrics, 2015.