米国マサチューセッツ州ケンブリッジ: 2026年1月12日: バイオジェン(NASDAQ略称BIIB)は、欧州委員会(EC)が5q脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療薬としてスピンラザ®(ヌシネルセン)の50 mg/5 mLおよび28 mg/5 mLの高用量投与レジメンの販売を承認したことを発表しました。5q SMAはSMA全症例の約95%を占める最も一般的なものです。スピンラザに対するEUの販売承認は今回の高用量投与レジメンを含めて更新されました。新規の高用量レジメンは、初期投与レジメンとして50 mgを14日間隔で2回投与し、その後28 mgの維持投与レジメンを4ヵ月ごとに投与するという、より迅速な初期投与フェーズで構成されています。12 mg投与レジメンから移行する患者様は次回の12 mg投与の代わりに50 mg投与の後、4ヵ月ごとに28 mgの維持投与レジメンで治療されます。スピンラザは腰椎穿刺術の経験のある医療従事者による腰椎穿刺で髄腔内に投与されます。
バイオジェンのエグゼクティブバイスプレジデントで開発責任者であるプリヤ・シンハル(Priya Singhal)医学博士(M.D., M.P.H.)は次のように述べています。「2017年にEUに承認されて以来、スピンラザはSMA治療の新たな基準の確立に寄与し、全世界で1万人以上の乳幼児、小児、ティーンエイジャー、および成人のSMA当事者の方々を治療してきました。私たちは、SMA当事者の皆さんの高まるニーズに対応するために開発した、スピンラザの高用量投与レジメンをお届けできることを誇らしく思うとともに、一日も早くこのレジメンをEUのSMAコミュニティにお届けすることに注力しています。今回の承認を実現に導いてくださったSMAコミュニティのご貢献に心から感謝しています」。
今回の欧州委員会による承認は、臨床第II相/第III相および長期延長試験というDEVOTE試験の3つのパートからのデータに基づいています。DEVOTE試験の中心的なコホートの結果によると、スピンラザの高用量レジメンによる治療を受けた未治療で症状を有する乳幼児は、事前に設定されていたENDEAR試験のシャム対照群(未治療)との比較で、「フィラデルフィア子ども病院乳幼児神経筋疾患スコア(CHOP-INTEND)」で測定された運動機能で統計学的に有意な改善を示しました(平均差: 26.19ポイント; +15.1 対 -11.1、 p<0.0001)。また運動機能の改善は、低用量投与レジメンから移行した様々な年齢や異なるタイプのSMAを有する非盲検コホートの参加者でも観察されました。これらの参加者は「拡大ハマースミス機能的運動スケール」で、ベースラインから302日時点で平均1.8ポイントの改善[SD 3.99]を示しました。
ローマ(イタリア)のカトリック大学小児神経科学のユージェニオ・メルクーリ(Eugenio Mercuri, M.D., Ph.D.)教授は次のように述べています。「DEVOTE試験の結果は、この新しい投与選択肢が12 mgの投与レジメンと総じて一貫する安全性プロファイルを示しつつ、有意義な治療アウトカムを提供できるという心強いエビデンスとなります。私はSMA治療における目覚ましい前進を目の当たりにしていますが、まだ課題があることは明らかです。スピンラザの高用量投与レジメンに対する欧州委員会の承認は、それらの課題に対処しSMAと生きる皆さまの治療を前進させる重要な一歩です」。
本試験を通じて高用量投与レジメンは全般的に良好な忍容性を示し、報告された有害事象はSMAおよびヌシネルセンの既知の安全性と一貫性がありました。長期延長試験においてヌシネルセンの高用量の継続投与による新たな安全性の懸念は認められませんでした。DEVOTE試験で高用量レジメンを投与された参加者の10%以上で発症し、シャム対照群より5%以上多く発症した最も一般的な有害事象は、肺炎、COVID-19、誤嚥性肺炎、栄養不良でした。
ヌシネルセン投与に際しての特別な警告および注意として、腰椎穿刺術に関わる有害反応、血小板数の低下、血液凝固異常、腎毒性、水頭症(脳内での脳脊髄液の過剰な貯留)があります。
SMAヨーロッパのCEOであるニコル・ガセット(Nicole Gusset)は次のように述べています。「私たちはSMAに関わるコミュニティとしてSMA当事者に対する選択肢を拡大し、SMA治療における継続したイノベーションを強化する進歩を歓迎します。今回の承認は、長期的なSMA治療への個別化アプローチを可能にし得る、より広範な可能性に貢献する持続的な研究と投資の重要性を強調するものです」。
更新された製品情報概要は欧州医薬品庁のウェブサイト www.ema.europa.euに掲載されます。
スピンラザの高用量投与レジメンは日本でも2025年9月に承認されており、米国食品医薬品局(FDA)では審査中で2026年4月3日までに決定が下される見込みです。バイオジェンはSMA当事者の皆さんのためにこの新たな治療選択肢を推進するために世界中の規制当局と協働しています。
*ENDEAR試験は、スピンラザ12 mgの規制当局による承認の根拠となった重要な2試験のうちの1試験です。