本資料は、米バイオジェン社が 2026年2月8日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

早期アルツハイマー病治療剤「レケンビ®」(レカネマブ)中国における皮下注製剤に関する生物製剤ライセンス申請が優先審査に指定

 

    エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq:BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:クリストファー A. ヴィーバッハー、以下 バイオジェン)は、このたび、中国において2026年1月に受理された抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体「レケンビ®」(中国製品名:「乐意保®」、一般名:レカネマブ)の皮下注製剤(皮下注オートインジェクター:SC-AI)に関する生物製剤ライセンス申請(BLA)が、中国国家薬品監督管理局(NMPA)により優先審査に指定されたことをお知らせします。

    NMPAによる優先審査は、顕著な臨床的価値を持つ新薬等に対する、研究、開発、上市の加速を目的とした制度であり、優先審査に指定されることにより、承認までの期間の短縮が期待されます。

    本申請が承認されれば、「レケンビ」の治療において、現行の医療機関での2週に1回の静注(IV) 投与に対する新たな選択肢として、在宅でのSC-AI 500mg(250mg×2 本)による週1 回投与による初期からの治療が可能となり、当事者様とケアパートナーが在宅で投与を行う治療選択肢が拡大します。SC-AIによる投与は、250mg 1 本あたり平均15 秒で完了します。SC-AI によって、IV 投与で必要な医療行為(点滴静注のための準備、投与に関わる看護師によるモニタリング等)が削減でき、AD 治療パスウェイ全体を効率化する効果が期待されます。

    エーザイは、2024年の中国におけるADによる軽度認知障害および軽度の認知症の当事者数を1,700万人と推定しており、今後高齢化の進展と共に増加していくと考えています。「レケンビ」は、中国において2024年6月にプライベートマーケットで発売されました。さらに、中国政府による革新的医薬品の開発とアクセスを支援する政策に基づき、2026年1月に新たに発効した「商業健康保険の革新的医薬品リスト」(中国名:商业健康保险创新药品目录)に収載されました。今後、本リストに基づき、各商業保険会社が「レケンビ」を対象とする商業保険商品を開発します。

    レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。中国においては、エーザイが販売並びに専門MRによる情報提供活動を行います。

以上

参考資料

1. 「レケンビ」について
      「レケンビ」(一般名:レカネマブ、中国製品名:「乐意保」、米国ブランド名:「LEQEMBI」)は、バイオアークティックとエーザイの共同研究から得られた、アミロイドベータ(Aβ)の可溶性(プロトフィブリル)および不溶性凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体です。「レケンビ」は、日本、米国、中国、欧州(EU)、韓国、台湾、サウジアラビア等、53の国と地域で承認を取得しており、6カ国で申請中です。18カ月間の隔週投与による初期治療後の 4 週に 1 回の静注( IV) 維持投与について、米国、中国、英国等、7 カ国においてにおいて承認を取得し、7つの国と地域で申請中です。2025年8月に米国において皮下注製剤「LEQEMBI IQLIK」による維持投与の承認を取得し、2026年1月に、初期治療の生物製剤承認一部変更申請(sBLA)が受理されました。本 sBLA は優先審査に指定され、PDUFA(Prescription Drug User Fee Act)アクション・デート(審査終了目標日)は 2026 年 5 月 24 日に設定されました。2025年11月に、日本において皮下注製剤の申請を行いました。2026年1月に、中国において皮下注製剤の生物製剤ライセンス申請(BLA)が受理されました。2025年12月に、中国において国家医療保障局によって新たに発表された「商業健康保険の革新的医薬品リスト」に、IV投与が収載されました。

      2020年7月から、臨床症状は正常で、ADのより早期ステージにあたる脳内Aβ蓄積が境界域レベルおよび陽性レベルのプレクリニカルADを対象とした臨床第Ⅲ相試験(AHEAD 3-45試験)を米国のADおよび関連する認知症の学術的臨床試験のための基盤を提供するAlzheimer's Clinical Trials Consortium(ACTC)とのパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)で行っています。ACTCは、National Institutes of Health傘下のNational Institute on Agingによる資金提供を受けています。また、2022年1月から、セントルイス・ワシントン大学医学部(米国ミズーリ州セントルイス)が主導する顕性遺伝アルツハイマーネットワーク試験ユニット(Dominantly Inherited Alzheimer Network Trials Unit、以下 DIAN-TU)が実施する顕性遺伝アルツハイマー病(DIAD)に対する臨床試験(Tau NexGen試験)が進行中です。本試験において、レカネマブは抗Aβ療法による基礎療法として選定されました。

2. プロトフィブリルについて
      プロトフィブリルは、ADによる脳損傷に寄与し、この進行性の深刻な疾患の認知機能低下に主な役割を果たす、最も毒性が高い可溶性のAβ種であると考えられています。プロトフィブリルは脳内の神経細胞の損傷を引き起こし、その結果、複数のメカニズムを介して認知機能に悪影響を及ぼす可能性があります1。そのメカニズムとして、不溶性アミロイドプラークの発生を増加させるだけでなく、神経細胞やその他の細胞間のシグナル伝達に直接的な損傷を起こすことも報告されています。プロトフィブリルを減らすことで、神経細胞への損傷や認知機能障害を軽減させ、ADの進行を防ぐ可能性があると考えられています

3. エーザイとバイオジェンによるAD領域の提携について
      エーザイとバイオジェンは、AD治療剤の共同開発・共同販売に関する提携を2014年から行っています。レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。

4. エーザイとバイオアークティックによるAD領域の提携について
      2005年以来、エーザイとバイオアークティックはAD治療剤の開発と商業化に関して長期的な協力関係を築いてきました。エーザイは、レカネマブについて、2007年12月にバイオアークティックとのライセンス契約により、全世界におけるADを対象とした研究・開発・製造・販売に関する権利を取得しています。2015年5月にレカネマブのバックアップ抗体の開発・商業化契約を締結しました。

5. エーザイ株式会社について
      エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患をターゲットに革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
      また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。
      エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jpをご覧ください。SNSアカウントXLinkedInFacebookでも情報公開しています。

6. バイオジェン・インクについて
      1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。
      バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体XLinkedInFacebookYouTubeをご覧ください。

参考文献
  1. Amin L, Harris DA. Aβ receptors specifically recognize molecular features displayed by fibril ends and neurotoxic oligomers. Nat Commun. 2021;12:3451. doi:10.1038/s41467-021-23507-z
  2. Ono K, Tsuji M. Protofibrils of Amyloid-β are Important Targets of a Disease-Modifying Approach for Alzheimer's Disease. Int J Mol Sci. 2020;21(3):952. doi: 10.3390/ijms21030952. PMID: 32023927; PMCID: PMC7037706.
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