エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq:BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:クリストファー A. ヴィーバッハー、以下 バイオジェン)は、このたび、デンマーク・コペンハーゲンおよびバーチャルで開催された第20回アルツハイマー病・パーキンソン病学会(International Conference on Alzheimer's and Parkinson's Diseases and related neurological disorders:AD/PD™ 2026)において、抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体であるレカネマブ(一般名、製品名「レケンビ®」)の静注(IV)治療を受けた当事者の背景および長期の治療継続性(Persistence)を解析した結果を発表したことをお知らせします。本解析の結果、18カ月のレカネマブによる初期療法を完了した大多数の当事者がレカネマブ治療を継続していることが明らかになりました。
慢性疾患において、実臨床での治療継続率の高さは、より良好な臨床アウトカムや患者満足度と関連していることが報告されています¹,²。レカネマブについては、臨床第Ⅲ相Clarity AD試験において、18カ月のレカネマブ投与を完了した当事者の94%がその後の非盲検長期継続投与試験(OLE)に参加し、治療を継続することを選択しました。OLEにおける4年間にわたるレカネマブの継続投与では、ADNI*(Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative)データを基にしたアルツハイマー病(AD)の自然経過に対して、継続的なベネフィットが得られていることが示されています。
米国における実臨床下でのレカネマブの治療継続および当事者の背景
(発表:3月20日17時5分 中央ヨーロッパ時間)
今回発表された解析は、レカネマブの実臨床(リアルワールド データ)における18カ月を超える治療継続率に関する初めての報告です。全米の医療保険請求情報に基づく広範なデータセットであるPurpleLab® CLEAR Claimsデータベースを用いた後ろ向き観察研究であり、レカネマブ治療の長期間の治療継続性を実臨床下で評価することを目的として実施されました。
■ 当事者の背景と投与実績
本解析の対象は、2023年1月6日から2025年11月30日に本データベースに記録されている、1回以上のレカネマブのIV治療を受けた13,388名のうち、継続的な受診の要件を満たした10,763名としました。ベースライン時における当事者の平均年齢は73.8歳であり、女性の割合が56.5%でした。また、ベースライン時の主な併存疾患は脂質異常症(42.2%)、高血圧(36.9%)でした。平均追跡期間は350.9日、月当たり平均投与回数は1.7回、平均投与間隔は16.4日(中央値14日)であり、推奨されている隔週投与と概ね一致していました。
■ 長期の治療継続性の解析結果
18カ月を超える長期の治療継続性の評価については、2023年にレカネマブの投与を開始し20カ月の連続フォローが可能であったサブグループ(371名)を対象に、Kaplan–Meier法を用い、投与を継続している当事者の割合の経時的推移を評価しました。その結果、18カ月時点で78.4%、20カ月時点で71.7%、24カ月時点で67.3%の当事者がレカネマブによる治療を継続していました。18カ月時点で治療を継続していた78.4%の当事者の大多数は、18カ月以降の維持投与期間も投与を継続しており、実臨床においてもレカネマブによる高い治療継続率が確認されました。本解析で観察された当事者の背景および投与パターンはClarity AD試験と概ね同様でした。さらに、当事者の比較的高い投薬アドヒアランスが認められていることから、MRIモニタリングの要件や有害事象などは、レカネマブの投与に大きな影響を与えていないことが示唆されました。
レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行います。
* ADNIは、ADの発症を予測し、治療の有効性を確認する方法を開発するために2005年に開始された臨床研究プロジェクトで、健常高齢者、軽度認知障害(MCI)、軽症AD当事者を対象に、複数年にわたる縦断的観察を実施しています。
以上