米国マサチューセッツ州ケンブリッジ – 2026年3月28日 – バイオジェン(NASDAQ略称BIIB)は、皮膚エリテマトーデス(CLE)患者を対象とするlitifilimabの第II/III相試験(AMETHYST試験)の第II相パート(パートA)のポジティブな結果を発表しました。Litifilimabは血液樹状細胞抗原2(BDCA2)を標的とする初のヒト化IgG1モノクローナル抗体(mAb)で、CLEに対して70年ぶりに承認される革新的治療薬となる可能性があります。 AMETHYST試験のパートAでは24週目までのlitifilimabの有効性と安全性を評価し、複数の指標において皮膚の疾患活動性の低下が報告されました。結果はニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された先の第II相LILAC試験のポジティブな結果と一貫しています。第II相LILAC試験とAMETHYST試験の結果はlitifilimabに対する先日の米国食品医薬品局(FDA)による画期的治療薬(ブレークスルーセラピー)の指定を支持するものです。今回の結果は3月28日に米国皮膚科学会(AAD)年次集会で発表されました。
UTサウスウェスタン・メディカル・センターの皮膚科学教授兼講座主任およびリウマチ疾患部門内科学教授のジョセフ・F. メローラ医師(Joseph F. Merola, M.D.)は次のように述べています。「私たちは今回litifilimabの2つの第II相試験から、CLEにおける皮膚の疾患活動性の目覚ましい低下を示す一貫した結果を得ました。これは本開発プログラムにおける重要な節目と言えます。今回の結果は、現在承認され標的治療薬がなく、重大なアンメットニーズが存在する皮膚エリテマトーデスの患者さんにlitifilimabを提供できる可能性を裏付けるものであり、私はこの結果を心強く感じています。これらの知見は、FDAによるブレイクスルーセラピーの指定とともに、承認されれば、この困難な疾患を抱える患者さんにもたらし得るlitifilimabの可能性を示しています。Litifilimabは、有効性の結果に加えて以前の試験と一貫する安全性プロファイルも示しました。重要な点として、本試験では意図的にCLEの不均質性を反映する世界中の様々な人々を組み入れたことで、これにはベースラインの疾患重症度が中等症から重症の多くの被験者も含まれます」。
CLEは複雑で不均質な疾患で、世界中に数百万人もの患者さんが存在します。本日現在、CLEに対する承認された標的療法はありません。
AMETHYST試験は進行中の連続した2つのパートからなる多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験で、様々な重症度のCLE患者を対象にlitifilimabの有効性と安全性をプラセボと比較して評価するものです。被験者は標準治療(SoC)に加えて4週ごとにlitifilimabまたはプラセボの皮下投与を受ける群に無作為に割り付けられます。24週から48週までの28週間の延長投与期間は、全ての被験者にlitifilimabを投与します。今回報告されている結果は、AMETHYST試験の二重盲検プラセボ対照第II相(パートA)期間である0週から24週までのものです。本試験では、被験者の74%は女性で33%は白人以外です。このような属性の分布は女性と多様な人種民族のグループに不均衡に発症するCLEの疫学と一貫しています。本試験の第III相パートは継続中で、結果の盲検性は維持されています。
AMETHYST試験パートAにおいて、litifilimabはCLE患者の疾患活動性について、主要評価項目である16週時点のCLA-IGA-R(皮膚エリテマトーデス活動性 - 医師による全般評価 - 修正版)の紅斑スコア0‐1(消失/ほぼ消失)を、プラセボと比較して11.8%(14.7% vs. 2.9%, 95%信頼区間[CI]: 1.39, 22.27; p < 0.05)と統計的に有意に低下させ、主要評価項目を達成しました。以下を含む副次評価項目はパートAの多重性を調整しなかったために統計学的有意差を示すことはできません。Litifilimabは迅速かつ継続的な皮膚疾患活動性の改善に関連しており、皮膚エリテマトーデス疾患部位および重症度指標アクティビティ-50(CLASI-50)の24週までの達成率(40.8% vs.21%; Δ= 19.8; CI: 1.46, 38.15)で、プラセボとの差は4週時点という早期に認められました(19.3% vs.5.5%; Δ= 13.8; CI: 1.19, 26.46)。プラセボ群と比較してlitifilimab投与群のより多くの被験者が、24週時点でCLASI-70を達成しました(21.7% vs.5.8%)。CLASI-50およびCLASI-70の達成はCLASI-Aスコアのベースラインからの改善率がそれぞれ50パーセントおよび70パーセントで定義されます。さらに、24週時点でプラセボ群と比較して、litifilimab群の6名のうち1名の被験者が、疾患活動性が無いまたは軽微が定義されるCLASI 0-3のスコアを達成しました(16.3%vs.0%; Δ= 16.3; CI: 7.07, 25.62)。
LitifilimabはAMETHYST試験のパートAで総じて高い忍容性を示し、忍容性は第II相LILAC試験を含む完了した試験で確立された安全性プロファイルと一貫していました。24週の期間で有害事象(AEs)はlitifilimab投与群とプラセボ群でそれぞれ74.6%(44/59)と64.7%(22/34)報告されました。ほとんどのAEsは重症度が軽症または中等症でした。重篤な有害事象はlitifilimab投与群とプラセボ群でそれぞれ6.8%(4/59)と2.9%(1/34)発症しました。
バイオジェンのチーフ・メディカル・オフィサーであるダニエル・カーク(Daniel Quirk, MD)は次のように述べています。「皮膚エリテマトーデスは肌に瘢痕を残すだけでなく、この疾患を抱える人々に大きな精神的かつ社会的な影響をおよぼす可能性があります。承認された疾患標的修飾薬は存在せず、CLE患者さんの選択肢は非常に限られています。この疾患の代表的な集団においてLitifilimabが総じて高い忍容性を示し、皮膚疾患の改善と関連づけられたことを非常に嬉しく思います。第III相プログラムを進める上で大きな追い風となります。バイオジェンがループスで、特にCLEで達成した成果は、選択肢が限られている、または存在しない疾患に取り組む当社のコミットメントを表しています」。
AMETHYST試験について
AMETHYST試験は2つのパートからなる第II/III相多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験で、プラセボと比較してlitifilimabの有効性と安全性を評価するためのものです。本試験は、抗マラリア薬に難治性または不忍容の活動性亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)および/または慢性皮膚エリテマトーデス(CCLE)を有する患者さんを対象にlitifilimabの有効性を評価することが目的です。本試験の第II相パートおよび第III相パートはそれぞれ52週間です。被験者はlitifilimab群またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、4週間ごとの皮下投与を20週間受け、第2週で追加投与を受けます。全ての被験者は24週から48週までの通算28週間の延長治療期間中にlitifilimabを投与されます。AMETHYST試験(NCT05531565)に関するより詳しい情報は clinicaltrials.gov をご覧ください。
Litifilimab (BIIB059)について
Litifilimab (開発コードBIIB059)はバイオジェン社内で創製され開発されているBDCA2を標的とするヒト化IgG1モノクローナル抗体(mAb)で、全身性エリテマトーデス(SLE)と皮膚エリテマトーデス(CLE)の治療薬候補として開発されています。BDCA2は形質細胞様樹状細胞(pDCs)と呼ばれるヒト免疫細胞のサブセットに特異的に発現する受容体です。LitifilimabがBDCA2に結合すると、I型インターフェロン(IFN-I)および他のサイトカインやケモカインを含むpDCsによる炎症産物の産生を減少させることが示されています1,2。これらの炎症性メディエータはSLEおよびCLEの発症機序に重要な役割を果たすと考えられています。
Litifilimabは開発中の治療薬候補で未だどの規制当局にも承認されておらず、その安全性と有効性は確立されていません。
皮膚エリテマトーデス(CLE)について
ループスの一種であるCLEは、全身症状の有無にかかわらず発現する重篤で慢性の皮膚の自己免疫疾患で、CLEの患者はしばしば皮疹、疼痛、掻痒、光線過敏症等の症状を経験し、時間とともに悪化し、外見を損ないQOLに多大な影響を及ぼすこともある不可逆性の瘢痕化、脱毛症、色素沈着異常のような皮膚の損傷に至ることもあります3-6。現在、CLEを対象とする標的療法は承認されておらず、最後に承認された薬剤は1950年代に遡ります。
バイオジェンについて
1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。
バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体X, LinkedIn, Facebook, YouTubeをご覧ください。