本資料は、米バイオジェン社が 2026年3月31日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語訳として発表させていただくものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

バイオジェン、アペリス社を買収免疫疾患および希少疾患における成長製品ポートフォリオの充実を図り成長見通しを強化するとともに腎臓疾患への参入を加速

 

  • 買収によりバイオジェンは、2つの希少腎臓疾患を含む3つの適応症がFDAにより承認されているEMPAVELI®と、免疫介在性の網膜疾患である地図状萎縮の適応症をFDAが承認しているSYFOVRE® という、差別化が可能な2つの承認済の医薬品を獲得
  • バイオジェンとアペリス社の製品化に関する能力を統合することでEMPAVELI®とSYFOVRE®の可能性を最大化するとともに、アペリス社の人材と専門性によりバイオジェンの腎臓疾患への参入を加速し、現在第III相試験中のfelzartamabの発売準備を増強
  • バイオジェンは買収により大きな成長見通しを持つ2製品の収益を直ちに得られることで、直近および長期的な成長の展望を増強することを期待; 2025年度のEMPAVELI®とSYFOVRE®の純製品収益は合わせて6億8900万ドルで、少なくとも2028年度まで10%台半ばから後半の成長率を期待
  • バイオジェンは1株あたり41ドル(総額約56億ドル)をキャッシュで支払うことでアペリス社を買収、さらにアペリス社の株主はSYFOVRE®の世界全体での一定の純売上目標の達成に応じて支払われる1株あたりの条件付き追加支払受領権(CVR)を取得
  • 財務的に価値のある取引により2027年度以降バイオジェンの非GAAP希薄化後の1株あたり利益(EPS)が年を追うごとに拡大すると期待、2030年度までバイオジェンの非GAAPでのEPSの複合年間成長率(CAGR)が有意に拡大すると期待

米国マサチューセッツ州ケンブリッジおよび同ウォルサム – 2026年3月31日 バイオジェン・インク(NASDAQ略称BIIB、以下バイオジェン)とアペリス・ファーマシューティカルズ・インク(NASDAQ略称APLS、以下アペリス)は、 バイオジェンがアペリスの全ての発行済み株式を取引完了をもってキャッシュで1株あたり41ドル(または総額約56億ドル)で取得する正式契約を締結したことを発表しました。またアペリスの株主は保有するアペリス株1株ごとに譲渡不能のCVRを受領します。これは、SYFOVRE®が世界全体で一定の純売上目標を達成した場合に1株あたり2ドルずつの支払いを2回受領することができるものです。

補体カスケードによって発症する重篤な疾患の治療薬推進をリードするアペリスを加えることで、バイオジェンの成長製品ポートフォリオに差別化が期待できる自己免疫疾患治療薬と希少疾患治療薬という承認済の2剤が加わり、短期的および長期的な収益成長プロファイルを強化することが期待されます。2025年度に合わせて6億8900万ドルの純売上を達成したEMPAVELI®とSYFOVRE®がバイオジェンに直ちに売上収益をもたらし、少なくとも2028年度まで10%台半ばから後半の成長率を達成することが期待されています。

EMPAVELI®は希少な免疫介在性腎臓疾患(C3Gおよび原発性IC-MPGN)とPNHを対象にFDAが承認しており、SYFOVRE®は免疫介在性の網膜疾患である加齢性網膜変性に続発する地図状萎縮を対象に、FDAが承認しています。バイオジェンが現在第III相試験中である3つの腎臓疾患を対象とした候補薬の最初のfelzartamabの試験リードアウトが2027年上半期に予定されていることから、アペリスが腎臓疾患領域も含めて米国で確立された営業組織体制と経験をもたらしてくれることで、発売準備態勢を加速し強化することを期待しています。バイオジェンは取引完了をもってアペリスの社員の大部分がバイオジェンに移籍することを予定しています。EMPAVELI®については、バイオジェンは引き続き同製品(EUでの製品名はAspaveli®)の米国外での商業権を有するSobi社と協働します。 

バイオジェンの社長兼CEOのクリストファー A. ヴィーバッハーは次のように述べています。「当社の戦略に基づき、今回の買収は進行中のバイオジェンの変革を直ちに推進してくれるものであると考えます。アペリスの買収によって、当社の既存製品のポートフォリオを補完し、短期的および長期的な成長の可能性を増強する2つの承認されているベストインクラスの医薬品が加わることで、免疫疾患および希少疾患における当社の成長製品ポートフォリオが拡大します。私たちはアペリスの社員をバイオジェンに迎えることを楽しみにしています。私たちは両社の能力と経験が組み合わされることでSYFOVRE®とEMPAVELI®の可能性を最大化できると確信しており、またアペリスの人材、専門性、フィールドでの営業能力は、バイオジェンがfelzartamabにより拡大しようとしている腎臓疾患領域の製品群の基盤を深化させ、免疫介在性の腎臓疾患の患者さんにお届けすることでバイオジェンをより強化してくれます」。

アペリスの共同創業者でありCEOのセドリック・フランソワは次のように述べています。「私はアペリスのチームや、SYFOVRE®とEMPAVELI®という2つの革新的医薬品を患者さんにお届けしたことと、補体サイエンスの深い専門性を活かして革新的医薬品のパイプラインを構築したことを含めて、私たちが達成した成果を心から誇りに思います。自己免疫疾患や希少疾患におけるバイオジェンの広範な経験により、今回の契約が私たちの影響力をさらに加速し、より多くの患者さんに届けることを可能にしてくれると確信しています。この決定は株主の皆様にもご納得いただける結果であり、私たちの戦略、科学的革新、実行力を強固に実証するものと確信しています」。  

バイオジェンの成長製品ポートフォリオを強化し、腎臓疾患における能力を拡大する差別化可能な2つの補体療法

EMPAVELI®(ペグセタコプラン)は人体の免疫系の一部である補体カスケードの過剰な活性化を制御すべく設計された補体成分3(C3)の標的療法です。EMPAVELI®は、C3糸球体症(C3G)または原発性免疫複合体膜性増殖性糸球体腎炎(IC-MPGN)の成人および若年成人を対象に幅広い適応症で承認されており、添付文書には移植後にC3Gが再発した患者のデータも含まれています。第III相VALIANT試験でEMPAVELI®はプラセボと比較してタンパク尿の68%減少、腎臓機能の安定化、C3沈着物の大幅な消失(生検によるC3染色により測定)を示しました。 

  • ポジティブな結果がC3Gおよび原発性IC-MPGNの若年成人および成人患者と、移植後に再発した患者で認められました。
  • EMPAVELI®はC3Gの小児患者(12歳以上)および移植後にC3Gが再発した患者に対して、FDAが承認した唯一の治療薬。
  • EMPAVELI®はまた原発性IC-MPGNの成人および小児(12歳以上)の患者に対してFDAが承認した最初で唯一の治療薬。
  • EMPAVELI®/Aspaveli®はまた発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の成人患者の治療薬として米国、欧州連合、および世界中の他の国々で承認されています。

SYFOVRE®(ペグセタコプラン注)は加齢性網膜変性に続発する地図状萎縮(GA)の治療薬として承認されています。C3を標的とすることで、SYFOVREは人体の免疫系の一部である補体カスケードを包括的に制御することが示されています。SYFOVRE®は広範な患者群を代表する被験者を組み入れた第III相OAKS試験およびDERBY試験の24ヵ月時点でのポジティブな結果に基づいて承認されました。

  • これらの試験でSYFOVRE®はシャム治療群と比較して地図状萎縮(GA)の病変の拡大率を減少させました。
  • SYFOVRE®の治療は時間とともに効果が拡大すること、そして最も大きなベネフィットである最大36%の病変拡大の減少がDERBY試験での月に1度の投与で18ヵ月から24ヵ月の間に得られることが示されました。
  • 2025年11月に、アペリスはGALEオープンラベル延長試験からの5年間の長期有効性データの事後解析を発表しました。それによるとSYFOVRE®は、シャム群/推定シャム群と比較して非中心窩下GA患者のGA病変進行を約1.5年遅らせたことが示されました。
  • SYFOVRE®は米国およびオーストラリアで承認されています。
  • アペリスはSYFOVRE® プレフィルド・シリンジ(PFS)の臨床試験を完了し、2026年上半期の承認を目指してFDAに申請する予定です。

本取引による価値創造の大きな機会
2026年第2四半期に予定されている本取引の完了により、アペリスの買収は2025年度に合わせて6億8900万ドルの収益を計上し、少なくとも2028年度まで10%台半ばから後半の成長率が期待できる市販製品をバイオジェンにもたらします。  

本取引はバイオジェンの収益とEPSの拡大可能性を強化し、2027年度からバイオジェンの非GAAP希薄化後EPSが年を追うごとに拡大することが期待されています。重要なことは、本取引により2030年度までバイオジェンの非GAAPでのEPSの複合年間成長率(CAGR)が有意に拡大することが期待されることです。バイオジェンは今回の買収資金を手持ちのキャッシュと借入金の組み合わせで調達する予定で、2027年度末までに負債を完済して将来の投資に備える財務上のフレキシビリティを維持できると考えています。 

バイオジェンは2026年度第1四半期の業績発表時に、2026年度通年のガイダンスをアップデートする予定です。

取引と財務上の詳細
本契約の条件に基づいて、バイオジェンはアペリスの全発行済み普通株式を取引完了をもってキャッシュで1株あたり41ドル(過去90日間の出来高加重平均株価に対して86%の割増、また過去52週間の最高値に対して35%の割増に相当)および譲渡不能の1株あたりCVRを対価とする株式公開買い付けを開始します。各CVRはSYFOVRE®が2027年から2030年までのいずれかの暦年に世界全体の年間純売上が15億ドルを達成した場合に1株あたり2ドルのキャッシュ支払い、また同期間のいずれかの暦年の世界全体のSYFOVRE®の年間純売上が20億ドルを達成した場合は追加で1株あたり2ドルのキャッシュ支払いを受ける権利であり、もしこれらの年間売上目標が同期間に達成されずCVR支払いが行われなくても、2031年度暦年のSYFOVRE®の世界全体の売上が20億ドルを達成した場合は、1株あたり4ドルのキャッシュ支払いが行われるものです。株式公開買い付けの成功裡の完了を受けて、バイオジェンは公開買い付けされなかった残りの全てのアペリスの株式を同一条件で第2段階の企業吸収として取得します。 

両社の取締役会で承認された本取引の成立は、株式公開買い付けの成功裡の完了、慣習的な完了条件の達成、および必要な規制当局による承認の取得を条件とします。

地図状萎縮(GA)について
地図状萎縮(GA)は加齢性網膜変性(AMD)が進行した病態で、世界全体で失明原因の第1位となっており全米で100万人以上、全世界で500万人以上が罹患しています1,2。これは視覚を司る網膜細胞を破壊する病変の拡大によって発症する進行性かつ不可逆性の疾患です。GAによる視力の喪失は日常の生活活動への参加を困難にし、患者の自立とQOLを深刻に損ないます。病状の進行度は患者によって異なりますが、平均すると、GAの病変が中心視野を司る中心窩に影響を及ぼし始めるのに2.5年かかります3

C3糸球体症(C3G)および原発性免疫複合体膜性増殖性糸球体腎炎(IC-MPGN)について
C3Gおよび原発性IC-MPGNは腎不全にいたることもある希少で重篤な腎臓疾患です。過剰なC3の沈着は腎炎、腎障害、腎不全に至ることもある疾患活動性の主要なマーカーです。C3Gおよび原発性IC-MPGN当事者の約50%は診断から5年ないし10年以内に腎不全に苦しむことになり、負担の重い腎移植または生涯にわたる透析治療を必要とします4-6。さらに、以前腎移植を受けた患者の約90%が病気の再発を経験します7

SYFOVRE®(ペグセタコプラン注)について 
SYFOVRE®(ペグセタコプラン注)はAMDに続発する地図状萎縮(GA)に対して初めて承認された治療薬です。C3を標的とすることで、SYFOVREは人体の免疫系の一部である補体カスケードを包括的に制御すべく設計されています。SYFOVREは加齢性網膜変性に続発するGAの治療薬として米国で承認されています。

EMPAVELI®/Aspaveli®(ペグセタコプラン)について
EMPAVELI®/Aspaveli®(ペグセタコプラン)は人体の免疫系の一部で多くの重篤な疾患の発症と進行につながることのある補体カスケードの過剰な活性化を制御すべく設計されたC3標的療法です。この製品は、タンパク尿を減少させるために、12歳以上の患者のC3糸球体症(C3G)または原発性免疫複合体膜性増殖性糸球体腎炎(IC-MPGN)の治療薬として初めて米国で承認されました。EMPAVELI/Aspaveli®はまた発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の成人患者の治療薬として米国、欧州連合と、世界中の他の国々で承認されており、またC3Gおよび原発性IC-MPGNの治療薬として欧州連合と世界中の他の国々で承認されています。EMPAVELIはさらにその他の希少疾患の治療薬として開発中です。

アペリスについて
アペリスは患者さんが直面する最も困難な疾患のいくつかに対して、人生を変えるような治療薬を開発するために補体サイエンスをリードする世界的なバイオ医薬品企業です。アペリスは先がけとして15年ぶりに新しいクラスの補体医薬を開発し、今や4つの重篤な疾患の治療薬として承認されている2つのC3標的医薬品を有しています。患者さんのためのこれらのブレークスルーには、失明原因の第1位である地図状委縮に対する初の治療薬と、2つの重篤な希少腎臓疾患であるC3Gと原発性IC-MPGNの12歳以上の初の治療薬が含まれます。私たちは多くの重篤な疾患に対するC3標的療法の可能性は解き放たれたばかりだと確信しています。アペリスについてのより詳しい情報は http://apellis.com をご覧いただくか LinkedIn および Xをフォローしてください。

バイオジェンについて
1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。

バイオジェンに関する情報については、https://www.biogen.com/ およびSNS媒体XLinkedIn, FacebookYouTubeをご覧ください。

参考文献
  1. Rudnicka AR, Jarrar Z, Wormald R, et al. Age and gender variations in age-related macular degeneration prevalence in populations of European ancestry: a meta analysis. Ophthalmology 2012;119:571–580.
  2. Wong WL, Su X, Li X, et al. Global prevalence of age-related macular degeneration and disease burden projection for 2020 and 2040: a systematic review and meta-analysis. Lancet Glob Health 2014;2:e106–116.
  3. Lindblad AS, et al, and AREDS Research Group. Arch Ophthalmol. 2009;127(9):1168-1174.
  4. Smith RJH, et al. Nat Rev Nephrol. 2019;15(3):129-143.
  5. Servais A, et al. Kidney Int. 2012;82(4):454-464.
  6. Zand L, et al. J Am Soc Nephrol. 2014;25(5):1110-1117.
  7. Tarragón, B, et al. C3 Glomerulopathy Recurs Early after Kidney Transplantation in Serial Biopsies Performed within the First 2 Years after Transplantation. Clinical Journal of the American Society of Nephrology. August 2024; 19(8)1005-1015
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