多発性硬化症治療薬「ブメリティ®カプセル」、日本にて承認取得

バイオジェン・ジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長・傳幸諭)は、多発性硬化症(MS)治療薬であるジロキシメルフマラート231mg(製品名:ブメリティ®カプセル231mg、以下、ブメリティ)について、「再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の再発予防及び身体的障害の進行抑制」の適応症で、本日、製造販売承認を取得しましたことをお知らせします。

ブメリティは、すでに販売され有効性・安全性が確立されている弊社のMS治療薬であるフマル酸ジメチル(製品名:テクフィデラ®)と同一の有効成分であり、課題であった同剤の消化管症状の忍容性を改善する目的で開発された薬剤です。

既存のフマル酸ジメチルは、MSに対する経口治療薬として使用されていますが、副作用のひとつとして消化管症状が発現することが示されており、治療継続が困難となる場合があります。
ブメリティはこうした臨床現場のアンメットニーズにお応えすべく開発され、有効性を維持しながら忍容性の改善を実現することを目指した薬剤です。

ブメリティ462mgを1日2回投与した時の有効成分フマル酸モノメチル曝露量は、フマル酸ジメチル240mgを1日2回投与した時の曝露量と同程度であることが示されており、既存治療薬で確立された有効性が裏付けられています。さらに日本を含む国際共同第III相試験を含む複数の臨床試験により、安全性、忍容性および有効性が総合的に審査され、本剤の承認取得に至りました。

特に、本剤開発の目的であった消化管症状の忍容性の改善に関しては、海外で実施されたEVOLVE-MS-2試験のRRMS患者において、消化管症状スケール[IGISIS](5 つの消化管症状〔悪心、嘔吐、上腹部痛、下腹部痛、及び下痢〕)程度スコアが2以上であった日数/投与日数の比はブメリティ投与群で0.04、フマル酸ジメチル投与群で0.08であり、ブメリティ投与群においてフマル酸ジメチル投与群に対して有意な差異が認められました。 [フマル酸ジメチル投与群との比0.54(95%CI:0.39~075)、p=0.0003、負の二項回帰モデル]。

同試験で投薬中止率は、ブメリティ投与群は、テクフィデラ投与群と比較して低いことが示されました(それぞれ1.6%および5.6%)。また、消化管症状の忍容性に起因する投薬中止率は、ブメリティ投与群で0.8%、テクフィデラ投与群で4.8%でした。
海外では再発型多発性硬化症(RMS)の治療を目的として2019年10月に米国で承認され、2021年11月にはRRMSの治療薬として欧州で承認されており、現在までに40か国以上で承認されています(2026年3月時点)。グローバルで蓄積された実績に基づき、日本の患者さんにも新たな治療価値を提供します。

バイオジェン・ジャパンの代表取締役社長である傳幸諭は次のように述べています。「多発性硬化症はバイオジェンが創業の初期段階から取り組んできた重要な疾患領域です。ブメリティは、有効性を維持しながら消化管症状の忍容性の改善を実現することで、患者さんの治療継続を支え、QOL向上に貢献することが期待されます。日本の患者さんに新たな治療選択肢をお届けできることを大変うれしく思います」。

製品に関する概要

製品名 ブメリティ®カプセル231mg
一般名(JAN) ジロキシメルフマラート
効能・効果 再発寛解型多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制
用法・用量 通常、成人にはジロキシメルフマラートとして1回231mg 1日2回から投与を開始し、1週間後に1回462mg 1日2回に増量する。
副作用 重大な副作用:リンパ球減少症(10.5%)、白血球減少症(2.6%)、頻度不明ながら、進行性多発性白質脳症(PML)、感染症、急性腎障害、肝機能障害があらわれることがある。
その他の副作用(10%以上):潮紅(31.9%)、下痢 、(1%以上10%未満)上咽頭炎、上気道感染、尿路感染、好中球減少症、灼熱感、不動性めまい、頭痛、錯感覚、腹部不快感、腹痛、下腹部痛、上腹部痛、便秘、消化不良、鼓腸、胃食道逆流性疾患、悪心、嘔吐、など
製造販売承認日 2026年6月19日
製造販売元 バイオジェン・ジャパン株式会社

多発性硬化症について
MSは慢性進行性神経疾患であり、認知機能、心理社会的機能及び身体機能に影響を及ぼし、中枢神経系における炎症、ミエリン破壊、オリゴデンドロサイトの細胞死、軸索損傷およびその後の神経細胞の喪失を特徴とする自己免疫疾患です。MSの有病率は人種間および地域間で差があり、日本における推定有病率は欧米諸国の10%程度と報告されています1。日本でのMS患者数は増加傾向にあり2、罹患率は10万人当たり10.8~14.4人と報告されています3

MSは、手足のしびれ、感覚機能や判断力の低下など患者さんによって症状が多様で診断が難しく、疾患としてもまだまだ理解が進んでいないのが現状です。2017年にバイオジェン・ジャパンが「全国多発性硬化症友の会」と共同で実施した調査4によると、最初にMSと思われる症状が現れてから、確定診断されるまでに平均3.7年、3つの医療機関を受診しているということが示されました。また、一見しただけでは病気であるとわかりづらいため、周囲の理解が得られず、就労や日常生活で困難が強いられることもあります。

テクフィデラ®(フマル酸ジメチル)について
テクフィデラは、世界で最も多く処方されている再発型MSの経口治療薬です。テクフィデラは、再発型MS患者さんにおいて、十分に検証された安全性プロファイルを示すとともに、MSの再発率を低下させ、身体的症状の進行を抑制し、脳病変数に影響を及ぼすことが示されています。テクフィデラは71か国で承認されており、これまでに67万人を超える患者さんに投与され、臨床試験および処方患者さんへの投与を合算して、累計165万患者年を超える投与実績があります。4

テクフィデラは、フマル酸ジメチルまたは本剤の添加剤に対して過敏症の既往歴がある患者さんには禁忌です。重篤な副作用として、アナフィラキシーおよび血管性浮腫が報告されています。また、死亡または重度の障害に関連することがあるまれな中枢神経の日和見感染症である進行性多巣性白質脳症(PML)が、長期にわたるリンパ球減少の状況下でテクフィデラを投与された患者さんにおいて認められていますが、これらの症例におけるリンパ球減少の関与は明らかではありません。その他の重篤な副作用として、投与開始後1年目における平均リンパ球数の減少、帯状疱疹およびその他の重篤な感染症、肝障害、潮紅が報告されています。臨床試験において、テクフィデラに関連して最も多く認められた有害事象は、潮紅、腹痛、下痢および悪心でした。

バイオジェンについて
1978年の創立以来、バイオジェンは世界をリードするバイオテクノロジー企業で、患者さんの人生を変革し、株主や私たちのコミュニティに価値をもたらす新薬をお届けするために革新的なサイエンスを開拓しています。私たちは優れた治療アウトカムをもたらすファースト・イン・クラスの治療薬や治療法を推進するために、人類の生物学に対する深い理解を応用し、異なるモダリティを活用します。私たちは長期的な成長をもたらすために投資利益率のバランスを考慮した上で、果敢にリスクを取るというアプローチを採択しています。

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バイオジェン・ジャパンは、米国バイオジェンの日本法人です。世界で有数の歴史のある独立系バイオテクノロジー企業の日本法人として、日本では2000年より事業を展開しています。日本の患者さんにも革新的な医薬品やより良い治療環境を提供すべく活動を展開しています。
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参考文献
  1. 堀内泉, 吉良潤一.多発性硬化症.田村晃, 松谷雅生, 清水輝夫編.EBMに基づく脳神経疾患の基本治療指針.メジカルビュー社; 2002:276-79
  2. 公益財団法人難病医学研究財団:難病情報センター 特定疾患医療受給者証所持者数 https://www.nanbyou.or.jp/entry/1356
  3. Kinoshita M, Obata K, Tanaka M. Latitude has more significant impact on prevalence of multiple sclerosis than ultraviolet level or sunshine duration in Japanese population. Neurol Sci. 2015;36(7):1147-51.
  4. バイオジェン・ジャパン株式会社 多発性硬化症の患者さんの実態調査 (2017年5月30日発表)
    https://www.biogen.co.jp/ja_jp/news-insights/japanaffiliatenews/2017-05-30-news.html
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